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クラウド化していないシステムTOP3は?【数字で読む情シス2022】

昨今、多くのシステムのクラウドが進んでいますが、中にはクラウド化しにくい/できないシステムもあるようです。このnoteでは、情シス向けアンケート(※)の結果から、オンプレミスに残っているシステムについてご紹介します。なお、このnoteは主に中堅・中小企業の新任情シスや兼任情シス向けの内容です。
※「情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート 2022(2021年12月〜2022年1月)」ソフトクリエイト

1.  オンプレミスに残るシステムTOP3は?

情シスに「現在、オンプレミスに残っているシステム」を聞いたところ、TOP3は次のようになりました。

第1位 ファイルサーバ(75.1%)
第2位 Active Directory(53.8%)
第3位 基幹システム(50.9%)

                       『数字で見る“ 情シス”の実像 2022』より

コンシューマ市場でもオンラインストレージが普及していますが、多くの企業にとってファイルサーバがクラウド化することは意外に難しい実情があることがわかります。詳細は次項で見ていきましょう。なお、以降の順位はグラフの通りですが、下記の通りとなります。

第4位 業務アプリケーション(47.7%)
第5位 データベース(42.2%)
第6位 IT資産管理(38.6%)
第7位 アンチウイルス(34.5%)
第8位 グループウェア(22.0%)
第9位 ワークフローシステム(20.9%)
第10位 メールサーバ(14.8%)

調査結果からは、特にメールのクラウド化が進み、次いでグループウェアやワークフローシステムも進んでいることがわかります。

なお、クラウドサービス利用は年々増加傾向にあり、ほぼクラウド化が約8%、半分以上クラウド化している企業は約27%という結果になっています。今後もこの傾向は続いていくのではないでしょうか。

                        『数字で見る“ 情シス”の実像 2022』より

2. オンプレミスに残されている理由を考える

オンプレミスに残るシステム第1位はファイルサーバで75.1%、4社中3社がクラウド化していないという結果です。クラウド化が進む中、なぜオンプレミスに残されたままなのでしょうか。調査結果のみではクラウド化できないのか、あえてクラウド化していないのかは不明ですが、いくつか理由は考えられます。

(1)コスト

すでにファイルサーバ内に大容量のデータを保有している場合、クラウド上に移行した場合に多額の費用が必要になる場合があります。コストを考える場合には、データの種類や内容にもよりますが、サーバの導入・運用や保守、セキュリティ対策や廃棄まで含めた費用(TCO:Total Cost of Ownership)を検討する必要がありますが、オンプレミスとクラウドのいずれが効率的かを検討する必要があります。

(2)セキュリティ対策

かつては、クラウドはセキュリティ対策が心配と考える企業は数多くありました。そのため、重要なデータは社内に置いておこうと考える企業が今も少なくありません。
しかし、中堅・中小企業もサイバー攻撃の脅威にさらされることや、内部からの情報漏えい対策、セキュリティ人材の確保などを考えた場合、クラウドの方がセキュアであることが知られるようになっています。データの内容、運用管理体制などを吟味して設置場所を検討すべきでしょう。

(3)コンプライアンス

コンプライアンス上の理由などで、社内にデータを保管せざるを得ないケースも少なくありません。社内の規定や法令上の理由から、クラウド化できない場合もあります。基幹システムがオンプレミス環境に残されているのも、このような理由かもしれません。その場合には、社内で運用管理、セキュリティ体制などを維持する必要があります。

(4)スピード

高速で遅延や切断が許されない環境の場合には、オンプレミスを利用する場合があります。クラウドの場合、十分なネットワーク帯域があることや速度、接続が切れないことなどが求められますので、提供サービスやシステムによってはオンプレミスの方が適切と考えられます。

(5)ガバナンス

部署や拠点間でシステムを個別利用し、一元管理できていない場合、管理者が不明のファイルサーバが残されていることもあります。情シスは全社システムをセキュリティポリシーの元、一元管理する必要がありますが、徹底できていない場合にはシャドーIT化が進むリスクが高くなります。

(6)クラウド移行に難しさを感じている

Active Directory も多くの情シスが「クラウド移行が難しいのでは?」と考えているシステムの1つです。例えば、認証はどのようにするのか、クラウド側の設定はどうするのか、クラウド化した後の運用はどうするのか…といった「壁」を感じ、移行できないケースもあると現場の声を耳にすることもあります。一方で、下のグラフのようにこれらの壁を乗り越えようとしている企業も少なくないようです。

                        『数字で見る“ 情シス”の実像 2022』より

しかし、今後の時代を考えると、中堅中小企業にとって Azure AD への移行メリットは大きいと言えます。移行を検討する方はぜひ、下記の記事を参照してみてはいかがでしょうか。

おわりに

今回は、クラウド化が進む企業のシステムの中で、オンプレミスに残されがちなシステムTOP3をアンケート調査結果から紹介するとともに、その理由を紹介しました。また、ほかの調査結果について知りたい方はぜひ、下記の記事や資料をお読みください。

また、ソフトクリエイトは「情シスレスキュー隊」にて、情シスに役立つ様々な情報を発信しています。こちらもぜひご覧いただき、情シス業務にお役立てください。

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