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涼宮ハルヒの消失の完成度の高さに感動した話

この記事は

涼宮ハルヒの消失(著者・谷川流)

の読書記録となります。

 消失は傑作だと前々から耳に挟んでいましたが、噂に違わない完成度でした。
 まずハルヒ、というキーパーソンを省いた中でここまでの物語を展開できるのがすごすぎます。
 ヒロインでありながらトラブルメーカーでもあるハルヒがいるからこそ、突飛な物語が生まれて、読者はその世界に吸い込まれて行く、というのがここまでのスタンスだったのですが、ここにきて谷川先生はその概念をぶち壊します。
 キョンくんの語りが面白いから当然行けるっしょ、と一時は思いましたが、少し冷静になって、ヒロイン不在では物語に華がないことに気づきました。
 そう。普通は、華がないはずなんです。
 けれど、さすが谷川先生。これまでとはまるで違う長門、朝倉を出すことで、華がないどころか、どんどん物語に読者を吸い込んでいくんですよね。
 不思議な話ですが、ハルヒがいないことにそれほど違和感を覚えないんです。小泉なんて最後まで一貫して空気です。
 つまり、キョンという個性的なキャラがいるにも関わらず、谷川先生は展開だけで読者を魅了することができるんです。
 今のご時世、キャラが可愛ければよくね? の風潮があります。
 アニメは製作会社ガチャだの、ラノベは絵師ガチャだの、SSR絵師を引けば、内容は二の次作品が売れるだの、丸戸3割深崎7割だの……
 反論したいですが、事実それが今のアニメーション業界です。
 書籍コーナーを見ればそれがよくわかります。最近売れた作品で絵師が無名ってことはまずありませんから。
 と、話が脱線しましたが、つまりハルヒのカタルシスはハンパないってことです。だって、角川文庫のハルヒ、挿絵が皆無ですからね。
 そしてこの巻の面白いのは、ある種ここまでにおける完結巻のように書かれていることです。
 キョンがずっと気にかけていた長門。
 朝比奈さん(大)の意味深な言葉。
 数々の疑問がこの巻で収束して……また謎が生まれます(笑)
 そうやって次々に新しい展開が生み出されるから、当然読者は目を離せなくなります。というか、次巻にどうやってつなぐの? って困惑します。予測がまったくできないのが、ハルヒの魅力なんですよね。

 と、ここらで恒例のキャラ語りといきましょう。
 今巻は涼宮ハルヒ! 我らが愛すべきSOS団のリーダーにしてヒロインです。……ヒロインだよね? あってるよね?
 ハルヒの唐変木な行動は見ていてほんと清々しいですよ。加えて、願ったことがなんでも叶ってしまうのだという。
 もうこの設定を閃いた時点で天才ですよ。ジャイアンが四次元ポケットを手中に収めたようなもんですからね。
 そんなハルヒが今巻においては、珍しく人間味のある反応をするんです。
 キョンくんを心配して、根が生えたように病室に居座るという、なんともまあ甘酸っぱい青春の一幕ですよ。ハルヒも人間なんだなって、ここまできてはじめてしみじみと思いました。
 グランドに宇宙人語を書いたり、コンピュータ研から最新デバイスを掠め取ったり、勝手に草野球大会にエントリーしたりと、カオスもカオスなハルヒですが、だからこそ時偶見せる優しさが魅力的に映るんですよね。
 ほんと谷川先生は……って褒めるのもこれで何度目でしょう。
 まあ、実際すごいんだから仕方ないよネ! 

 さて、続いての巻は涼宮ハルヒの暴走。
 いや、いつもライオットしてますが? ってツッコミは呑み込んで楽しく読ませて頂くとします。 
 あ、並行して時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさんという作品を読んでいるのですが、こちらも面白いのでおすすめですよ。なんて言わなくても、オタクの方々は当然知っていますか(笑)

 今日はLiellaのシングルCDの発売日!
 2枚買ってラブライブ!当てるぞ!

 なんて私事で締め括らせて頂きます。
 長文失礼しました。

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