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新聞奨学生は純粋培養の社畜育成の場

〈はじめに〉


初めまして、社畜奨学生のTです。
東京にある某専門学校に通う19歳。 
現在休学中で、4月から2回目の一年生です(笑)。

とまぁ、大抵のことは笑いごとに、創作のネタにしてしまう僕なのですが、ちと今回ばかりはあまりにもあんまりなので、今の惨状を多くの人に知ってもらいたいと思い、この記事を書くことにしました。

本音を言えば、後ろ向きな言葉は自分を憂鬱にさせるだけなのであまり気は進まないのですが、後代のために、勇を鼓して記事を書きたいと思います。

この記事で書くことは主に2つ。

新聞奨学生の実態労働基準監督署の実態についてです。

よければ最後までお付き合いください。

第一章 逃亡編


まず2月9日の時点で、僕は27連勤しています。

………………

…………

……

釣りならよかったのですが……

証拠1

証拠2

証拠3

すいません、写真なんて滅多に挿入しないもので、やや見栄えが悪いですがお許しください。

と、誇張なしに連勤続きなんです。
ここに至ったのにはワケがありまして、1月14日に住んでいた方の一人が職場に前もって連絡もなしに逃げ出しました。
以後、Yさんとしましょう。
脱走の直前、Yさんは僕を昼食に誘い、その際に僕にだけ職場から逃げ出すと伝えてくれました。
あの時は夜逃げって本当にあるんだなぁ、っていうより昼逃げか。
なんて、創作ネタがゲットできてラッキー程度に思っていたのですが、今にして思えばあれが地獄のはじまりでした。

Yさんの話を少しご紹介します。
Yさんは四年前から新聞配達員になられたとのこと。
過去に事故に遭われたようで、その際に脳に異常を来し、片足が不自由になられたようです。それが原因かは知りませんが、時折、共用トイレはう○こ塗れになっていました。尿が便器外にされていることは日常茶飯事。汚物処理のスキルが身につきました。

そんな生活スキル小学生以下のYさんですが、それは無理もないことで。
というのも、職場が人を殺すような環境だったからです。
人は心を持っています。意思を持っています。
しかし劣悪な環境に身を置きすぎると、やがて感性は腐敗し、人は人でなくなります。言いなりの奴隷になってしまうのです。

証拠4

証拠5

証拠6

こちらの三枚は、Yさんがいなくなられた後の個室です。

誰も荒らしてません。Yさんがいなくなって5分後の個室です。

本当にここに人が住んでいたんですよ?

もはや廃墟。ちなみに布団はベダベタでした。
19年生きて、もっとも衝撃的な光景でしたね。
ほん怖に投稿したら、採用されんじゃないかって思いました。
怖いの意味合いが違ってくるけど。

と、こんな退廃染みた部屋に住んでいたYさん。

聞けば、四年前に四ヶ月連続出勤を課されたり、乱闘になって歯が折れたにも関わらず保険金が1500円しか支給されなかったり、9時まで電話番をさせられてろくに寝られなかったり、部屋のエアコンが壊れてたり……

悲惨すぎて言葉を失いました。
乱闘騒ぎになった日のことは僕も覚えていますが、マスクをしていないことを住民に指摘されて、それに強く言い返したら殴られたそうです。
劣悪な環境下に置かれていたから、常に気が立っていたのでしょう。
環境は人を変えるんだなって、しみじみ思いました。

そんなYさんを僕は止めることなく、笑顔で見送りました。
四年間もこんな地獄にいたんです。
最後の瞬間くらい、笑顔で送り出す人がいないと割りに合わないでしょう。

そして翌日から、僕の無限出勤編が始動します。

第二章 無限出勤編


この小見出しは、僕が友人に冗談で「無限出勤編突入したわ(笑)」と言ったことをまんま引用したものです。
瓢箪から駒とはまさにこのこと。冗談だったんだけどなぁ……

まずは職場の状況を説明しましょう。
さ……んんっ! 産K…………S経……S新聞のK区の某エリアは、3つに分割された区域を3人の従業員が配達しています。

一区は僕、二区はIさん、三区はYさんというように、3人の内、誰かが休みの日には店長が穴埋めで入る、といった感じで職場は成り立っていました。ちなみに休みは月5日。いつかラブライブ!のコンサートに行くために有給休暇を申請したら、見事に休日がズラされました。有給休暇が取れないのは暗黙の了解なのでしょう。来年、成人式行けるかなぁ……

上の図式を見ればわかるように、1人欠けたら全員出勤せざるを得ない状況です。
Yさんが欠けたことである程度、連勤が続くことは覚悟していました。

10日……15日……20日……

契約にない夕刊配達の追加、他の方のバイクのガソリン補充、担当区外の地域の時間外配達…… 

耐えろ、今が堪忍時だぞ。頑張れ僕。

必死に耐えました。いや、正確には耐えています、かな。
だって今もその記録が継続しているのですから。

先月末くらいにAさんが補充されました。
年配の、新聞配達の経験もあるというお方です。
その時は10連勤をややオーバーしたくらいでした。

疲れたけど休日手当も出るって言ってたし、まぁ悪くないかな。
あの頃の僕は楽観的すぎたんです。

僕は1週間ほどで配達順路を覚えました。岐阜から東京に、まったく土地勘がなく、バイク経験もほとんどない僕が必要としたのが1週間。
土地勘があり、経験もあるAさんなら僕と同様、あるいはそれより早くにYさんの順路を覚えられるはずと思っていました。

しかしその時はいつになっても来ません。

正確にはわからないのです。
配達時間、店の前を通りかかると店長のバイクは停まっていて、Aさんのバイクはなし。つまり、Aさんは1人で配達されてるはず。

なのに――休みが来ない。

あぁ、わかった。店長が休暇を取ってから僕とIさんに休みがくるんだ。
店長もけっこう年だし、そりゃ休まないと大変よな。
そう思ったのが、かれこれ1週間前のことです。

ちなみにIさん、軽く30連勤を越えていて、しかも朝刊に加えて夕刊配達もあるのに、文句のひとつも言わないんです。
死んでるんでしょうね、心が。
44歳のIさん。彼のため息を耳にする度、僕は彼の将来を憂いでいます。

そう思える僕は、まだ社畜に墜ちてません。
いや、墜ちて堪るかよそんなもんに。
僕にはゲームシナリオライターになって、小説家になって、最終的にはドラえもんの脚本を書くっていう、壮大な人生計画があるんです。
こんな紙切れ配達のために〝感性〟というかけがえのない財産をなくすわけにいきません。

そこで僕は、労働基準監督署に連絡しました。

第三章 国、無力編

アンチクライマックス方でいきましょう。

結論。連絡してもなにも変わりませんでした。

昨日のことです。最寄りの労働基準監督署に連絡したら「そういうこともあります。職場の方と相談してください」と、門前払いされました。

…………は?

僕は温厚でポジティブな人間です。過信じゃありません。
委員長、生徒会副会長、クラスの問題児の抑制、数々の実績と友達の言葉が、僕が前述した通りの人間であるという証拠です。
だから、でしょう。
昨日はじめて、殺意にも近い本気の苛立ちを覚えました。

もう、誰も信用しない。
全部、自分の力でやろうって、心に決めました。

といっても家族と友達は信じています。
他の大人はもう知りません。全員、他人です。他人は信用しません。
S新聞本社に連絡して、なにか改善の手立てを打ってくれると言ったけど端から期待してません。どうせ、14日の新聞休刊日まで僕は出勤するんです。日本沈まないかなって、はじめて本気で思いましたよ。

と、ここが27連勤に至るまでのストーリーです。
これから毎日、夕方に日記を投稿していきたいと思います。
第四章はどんなタイトルになるのかな? 
ここまで来たら、とことん地獄を見せてほしいなぁ。

〈最後に〉

つまりなにが伝えたいか。

親御さん、息子さんにこんな苦行を味合わせていいんですか?

この一言のために、僕は2時間近くこんなまったく楽しくない文章を綴りました。

僕はとある専門学校のアニメーター専攻に所属していましたが、やりたいこととのミスマッチ、画力上達の限界から、シナリオライターの道を目指すことにしました。

絵を描きたいんじゃない、文を書きたいんだ! 

描くは描くでも『書く』がやりたいことであると気づくのに、三ヶ月の時間を要しました。その間、睡眠時間は毎日4時間たらず……
あの期間に確信しましたが、人間、寝ないとなにもうまくいきません。
逆に言えば、寝れば大体うまくいくんです。

お子さんの夢を本気で押したいのなら、学費は親さんの方で負担し、お子さんには全力で学業に精進してもらうべきです。
僕の所属していたアニメーター専攻にはもう1人、僕と同じ新聞社の奨学生をする子がいましたが、2週間ほどで来なくなりました。
お子さんをそんな目に遭わせたくないでしょう?

さぁて、これで大体書けたかな。
ちなみに僕の精神面の状態ですが、一時期、無気力症候群になっていたものの今は元気です。自分ともう1人、風戸輝斗という創作専門の人格を生み出したらうまくいくようになりました。
まぁ、気持ちの問題なんですけどね(笑)。
けど、乖離性障害ってこうやって生まれていくのかな。
副人格が本当にできちゃったりして?
それはさすがに創作の世界の話だよね?

おまけに住居の方の現状を載せて終わりにしたいと思います。
あと、最後にもう1つだけ。
これだけ言わせてください。


誰か助けて……


証拠7

こちらは僕の個室の扉。昨年からドアノブが壊れていて、鍵をかけることができません。セキュリティ能力皆無です。
年が明けたら治すと店長は言っていたけど、音沙汰なし。
宿泊環境が約束された契約書を疑いたくなりますね。


証拠10

こちらは共用トイレ。今は僕、個人のトイレになっています。
こちらもドアノブがぶっ壊れてます。見えないけど扉はヒビだらけ。


証拠9

こちらはシャワールーム。30℃でも0℃でもシャワー以外の選択肢はありません。基本、休みが週一であったので、冬場は最寄りの銭湯に通っています。無限出勤するようになってからは、日曜日が銭湯Dayです。


証拠8

こちらは部屋を出てすぐの外観。奥の部屋にYさんは住んでいました。
二階ですが、今は僕ひとりで暮らしています。ちなみにお隣は消防署で、毎日ピーポーピーポーうるさいです。事故多過ぎません?

以上になります。

長文、失礼しました。
よろしければ、拡散していただけるとありがたいです。
奨学生制度の利用を考えている方に、今一度考え直してもらいたいので。

よ~し、今日もがんがんプロット書くぞ~!
東京K区より、『君の名は。』のBGMを聞きつつ。


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