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生き残りを賭けて「売らない」お店作りに励むあの丸井の戦略

あなたは、「売らない」と聞いてどんな店舗を想像しますか?
「売らない」お店?そんなのナンセンスだと一笑に付しますか?

実は、あの丸井が「売らない」店舗を展開しているのです。

丸井は百貨店の商業形態からキャッシングを業務の中心にした
金融業に軸足を移したのですが、2007年、貸金業法改正の施行が
決定され、キャッシング金利の上限改定や、過払い返金請求対応
などで、丸井の業績は大打撃を被りました。

売り上げの減少に耐えられない状況になって、丸井は、場所を
専門テナントに貸して家賃を得る「賃貸借型」に転換しました。

しかし、テナントの収益が上がっても丸井本体の収益には
結び付きませんでした。

そこで、丸井がかんがえだしたのが、「売らない」お店という
コンセプトなんです。

「売らない」お店とは、
これまでECだけで販売してきた新興企業(エマージングECショップ)に
丸井に出店してもらい、店舗は商品のディスプレイに徹することで、
顧客は、実際に商品に触れてもらい、購入はECサイトで完結する
コンセプトのこと。オムニチャンネルと
言って販売戦略のひとつです。


ECサイトだけで物販するエマージングECショップにとっては、丸井に
店舗があることによって、認知だけでなく、顧客への信頼性を獲得できる
メリットがあります。

リアルとオンラインを併用することによって、確実に購入単価が上がる
ことが、実証されています。つまり、アップセル(追加購入)が
期待できるのです。

また、ECサイト専業企業は店頭運営のノウハウを持っていないので、
丸井から運営受託サービスを提供してもらうことで接客ノウハウなどを
獲得することができるのです。

丸井にとっては、他のライバル店舗に比べて、テナントの独自性を
高められます。ドンキーの店舗のような宝探し的な要素が加わり、
ワクワクした魅力的な店舗経営ができます。

実際に、丸井の来店客は、「売らない」店を展開してから確実に
増加しているようです。

そして、「売らない」店での購入はECサイトで決済しますので、
クレジットカードを利用します。そこで、丸井が展開している
クレジットカードの「エポスカード」での決済に特典をつける
ことで収益アップを狙えます。

丸井は、ECショップに対して、資本出資も行っているので、
大化けしたECショップを発掘することでキャピタルゲインを
期待することができます。

百貨店から確実に脱皮して、進化を続ける丸井の取り組みが他の
ライバル百貨店が衰退している中から、生き残って収益を上げている
大きな要因なのです。


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