d.schoolの教科書『CREATIVE ACTS FOR CURIOUS PEOPLE』に学ぶ -創造的思考と挑戦の実践-
こんにちは!UXteamのそらっちです。
今回はUXteamでアメリカ視察に行った際に購入したd.schoolの教科書「CREATIVE ACTS FOR CURIOUS PEOPLE」についてご紹介したいと思います。
そもそもどんな本?
「CREATIVE ACTS FOR CURIOUS PEOPLE」は直訳すると「好奇心旺盛な人のための創造的な行為」になります。こちらの意味について本書では具体的に以下のように解説しています。
つまりあくまでデザイナーだけに向けた本ではなく、「複雑な問題に対処し、プラスの変化をもたらすためのスキルを身につけたい人々」に向けた「立ち直りや思いやり、自信を育む方法と不確実性に直面した際に好奇心や創造性を活かすための手法や演習」について記載されている本になりそうです。
今回は本書を引用しながら特に基本となる演習についていくつかご紹介したいと思います。
Blind Contour Bookend
この演習は、自分のアイデアがすべて素晴らしいというわけではないことを理解し、アイデアを出す時と評価する時を区別する習慣を身につける、自分の仕事の質に 自信がなくなったとき、または自分の可能性に疑問を感じたときに行うものです。自分を否定せずに作る楽しさを知ることができ、最後には自分を責めずに、ただ作りたいものを作ることができるようになります。
本書ではこのようなスキルを習得するために以下のような演習を提案しています。
この演習では見たものを書くという簡単な行為を通して、まずは少しやってみるというマインドセットを身につけることができるものだと思いました。デザイン思考の基本的な考え方として「build to think」というものがありますが、まさにこの演習が体現していることの一つだと感じました。
また、自身が考える範囲ではバイアスや自分の想像の範疇を抜け出すのは非常に難しいです。そのため物事を静かに観察し、手を動かすという意識を忘れずに創造的な活動をしていきたいと思いました。
How to Talk to Strangers
オンラインでのやり取りが増える中、今まで話したことのない人に直接話しかけることが難しくなっています。見知らぬ人との接触に対する警戒心や恥ずかしさが増幅されています。
デザインの仕事ではこの障壁を乗り越える必要があります。アイデアを見出したり、先入観を克服するためには見知らぬ人へアプローチすることが重要です。
本書ではこの問題に対し3つのレベル感で以下のような演習を提案しています。
これを見て私はなかなか実行の難しい演習だと思いましたが、海外ならではの未知への挑戦へのアプローチだと感じました。具体的にそれぞれのレベルによって得られる学びとしては以下のようなものが考えられます。
初めて話す人に対して、「挨拶をする」「共通点を見つけ身近なところからアプローチする」「無理を言ってしまったことに対して素直に伝えることと感謝を伝えること」はとても重要で基本かもしれませんが、オンライン化が進むにつれてつい忘れてきてしまうところだと思います。
この演習で新しいものや未知のものへリスペクトを持ちながら能動的及び積極的に物事へアプローチすることが重要であると学ぶことができると感じました。
A Seeing Exercise
この演習では、見えないものに注意を払うことで、デザインや創造的な仕事の多くの機会が生まれることを学ぶことができます。
脳はいつも情報を選り分けていますが、そのフィルターをコントロールすることで新しい気づきが得られます。また、このような観察力はデザイナーにとって重要であり、日常の詳細に注意を払うことで、よりリアルで生き生きとした作品を生み出すことができます。
本書ではこのようなスキルを習得するために以下のような演習を提案しています。
この演習の重要な点はこの一連の作業を定期的に行う点に挙げられると思います。ドキュメンタリーな写真や自分の身近な写真について観察し、目を鍛えることで普段生活している際も自然と観察眼を鍛えることができるようになると思うからです。
また、言語化することで自分が想像していることに客観性を持たせるトレーニングにもなるので抽象と具体の行ったり来たりを繰り返す練習にもなると感じました。
終わりに
私は英語をスラスラと読むことができないので今回は英書を翻訳しながら読み進めました。(想像以上に時間がかかり、まだ本書も読み進め中です。)また、英書についてはしっかりと読んだことがなかったので日本人にはない比喩の豊富さや演習を考える際のアプローチ、考え方などとても勉強になりました。
最後に本書の中に出てきたものの中で自分の指針としたいと思ったものを記したいと思います。