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褒めればいいってもんじゃない

子供を褒めて伸ばす教育は必ずしも正解ではない気がする。叩いて伸ばすよりはマシなだけだ。

僕自身があまり褒められたり、叱られたりせずに育ってきた。お世辞にも成功者とは言えないが、他人を羨むことのない幸福な日々を送れている。

褒めるという行為は暗黙的に結果を求める。褒められるには結果を残さなければならない。目的が達成できなくても途中の頑張りを褒めることは一応可能だが、それには少なくとも頑張った痕跡が目に見える必要がある。

それもまた頑張ったという結果に他ならない。要するに周りには結果しか見えないのだ。

だから過程を重視する生き方はどうしても孤独と自己満足の世界になる。褒められることに味を占めた人間は他人から評価されにくい道をあえて選ばないだろう。強い言葉で言い換えると一種の呪いである。選ばないのではなく選べない。

もちろん結果も大切だが、過程も大切だと思う。このバランスが崩れて結果だけを重視するようになると、「頑張らずに結果を出す」ことが最適解になる。もし自分に子供がいたらそんな風に育ってほしくない。

この世に存在するほとんどの「どちらが良いか?」という質問に対する一番有力な答えは「どちらもそれぞれに良い」である。つねにフラットな視点で選択できることが望ましい。