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幸福の副作用【産休クッキー問題】

↑前回の続き

そういえば最近、産休クッキーが話題になっていた。なんかもう絶望的な気分になる。

僕は食べ物をくれる人には無条件で好印象を持ってしまうが、そうでない人も当然いるだろう。とくに妊娠となると男には一生理解できない心情がありそうだ。

妊娠がひとつの幸せだとするなら否定派の主張はつまりこういうことになる。

お前の幸せが誰かを傷つける。
だから自重しろ。

気持ちはわかるが、その道はディストピアに続いている。人と関わり合いを持つ以上、誰も傷つけずに生きることはできない。誰が何に傷つくかなんて千差万別で完全には知りようがないからだ。

国民的スポーツ選手を称賛する声が同じスポーツを怪我で諦めた人を苦しめているかも知れない。それは繊細すぎるお前が悪いと言い切るのは傲慢である。傷つけても良いラインを決めることは誰にもできない。

幸せな人は無神経に喜んでいい。喜ぶべきだ。それで僕が傷つく結果になっても構わない。マウントを取って悦に入るのが目的だったりするのは困りものだが、嬉しいことを喜べない世界に生きる価値はないと思う。

幸福の副作用と見ることができる。傷つく人がいるから幸福を抑圧しようと考えるのは副作用を避けるために大切なものを見失っている。

↓次回に続く