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〈筆止まる窓に日増しの木下闇〉ほか自作俳句6句(『松の花』松の花集 9月掲載)

松の花集の掲載5句

結社誌『松の花』の2021年9月号に掲載された句です。投句したのは7月上旬でした。

風薫る書風明るき書道展
青き峰ローン三十五年なり
花びらを外し目玉の日輪草
筆止まる窓に日増しの木下闇
侵入の蝿と階下の工事音


風薫る書風明るき書道展→知人の出品する書道展へ、お招きにあずかりました。鳴鶴流天溪会、明るく清らかな書風が印象的な流派でした。東京芸術劇場にて。

青き峰ローン三十五年なり→着々と完成しつつある新居を眺めながらの句。清々しく誇らしい気持ちと、険しい道のりとが胸を去来しています。

花びらを外し目玉の日輪草→Instagramのいけばなアカウントで、「ひまわりが萎れてきたら、花びらをはずす」というやり方を知りました。また別の植物のようでおもしろかったです。

筆止まる窓に日増しの木下闇→机上には遅々として進まない原稿、一方、窓の外には日増しに盛んな緑。気分転換に顔を上げたときの景ですが、奇しくも対比となりました。

侵入の蝿と階下の工事音→蝿も工事音も私を邪魔しないでいただきたいものです……。

〈筆止まる窓に日増しの木下闇〉の句に対する主宰からのコメント

松の花集の上位に入ると、主宰からの評をいただけます!(歓喜) 

「日増しの木下闇」が、新緑を深緑へと変えてゆく木立の充実と生長、日差しの強まりを同時に感じさせる。「日増し」にの語を使うと経過報告になりがちだが、筆が止まって今ここに見ている木下闇の中に過去の日毎の木下闇の時間が内蔵された句になっている。さり気ない「筆止まる」が絶妙。

松の花集に投句するも掲載から漏れた句

黒南風やシンクに五本レツドブル

自分では、この生活がちゃんと回っていない感じも好きです(笑)

黒南風(くろはえ)は梅雨時の南風のこと。句に、湿気のいや〜な感じをまとわせたくて選びました。

句会を始めます

2021年11月18日から、第1もしくは第3木曜日の午前中、三鷹駅前にて句会を始めます(以下、12/2・1/6・2/3・3/3・4/7・5/19……)。お気軽にご参加ください。

サポートは、書籍の購入、古典の本の自費出版に当てさせていただきます。