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湧水の冷たさ痛し雲の峰ほか「松の花」2020年10月号掲載分(+α)の俳句

所属結社の『松の花』に応募した俳句です。

松の花集(2020年10月号)

湧水の冷たさ痛し雲の峰

薄荷油や夏のマスクにちょんちょんと

大の字は旅の贅沢夕涼し

お花畑ブロンド少女のふたり連れ

星涼し星座も追へぬ星の数

十一席で、大きめに掲載していただきました。特に、「湧水の冷たさ痛し雲の峰」は今月の秀句に選ばれ、結社の主宰から以下の解説コメントを頂戴しました。

雲の峰がむくむすと育つ青天は、暑いが、心弾むものがある。この句の湧水は、川か池のものであろうか。高山であれば、手で掬った水の感触である。たとえば、上高地の明神池の水に手や腕を浸すと、すぐに冷たさが痛さになる。「冷たさ痛し」が、炎天下に生きる命の確認となり、雲の峰の躍動感と響き合っている。

「松の花集」応募句のうち、掲載5句から漏れたもの

夏シャツや新米板書練習す
信号の人群れのうへ夏の蝶
ラフティング水着のティーン飛び込みぬ

薫風集(2020年10月号)

こちらも、四席に選んでいただきました。

万緑の奥へ奥へと仙山線

梅雨の雷立石寺にぞ轟ける

黒南風や隣は遺骨撒く船か

「万緑の奥へ奥へと仙山線」は主宰の添削を経た形で、応募句は「万緑の奥へ仙山線の揺れ」でした。

「薫風集」応募句のうち、掲載3句から漏れたもの

そこここの地蔵やさしや木下闇
五月雨や朱印の僧の無愛想

もし気に入っていただけた句やご感想がありましたら、お気軽にコメントでお知らせくださいませ。

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