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〈枝払ふ日の予告ある緑かな〉ほか自作俳句8句(『松の花』8月号掲載+α)

結社誌の『松の花』の8月号、全員参加の「松の花集」に掲載された5句をご紹介します。
2021年5月25日〆切分のため、初夏の句が多いです。

松の花集掲載5句

枝払ふ日の予告ある緑かな
大工らにアイスコーヒーお茶に水
棟上げの二階へ梯子夏の雲
嵌め込みの窓の向こうの青嵐
コロナ禍を夫(おっと)着慣れしアロハシャツ

松の花集掲載句へのコメント

枝払ふ日の予告ある緑かな→5句中、秀句とされた句です。青々と茂った街路樹でしたが、1、2週間後の剪定を予告する看板がありました。
私は、植物にも詳しくないですし、伸びると道路にかかってしまう以上、仕方ないのかもしれませんが、街路樹の剪定って徹底的な感じですよね……。この緑も失われるのかと惜しみつつ、一方では、この生命力であれば又すぐに伸びるのだろうなと期待しつつの句です。

大工らにアイスコーヒーお茶に水→五月といえど、暑い日々です。新居の工事に励んでくださっている大工さんたちに、それぞれの好みに合わせた飲み物を差し入れします。

棟上げの二階へ梯子夏の雲→上棟式は行いませんでしたが、上棟の日に工事現場に顔を出しました。まだ階段などはできていませんので、二階へは簡易の梯子でのぼります。恐る恐るのぼってみると、まだ壁がないため、よく空が見えました。「夏の雲」は実景ですが、青い空、白い雲の晴れやかさは、その日の気持ちにもふさわしいものでした。

嵌め込みの窓の向こうの青嵐→貸会議室で講座を行いました。大きくガラス張りになっている会場で、外には快い五月の緑。恐らく「風薫る」といった感じです。あいにく窓は嵌め込みで、風を感じることはできませんが……。

コロナ禍を夫(おっと)着慣れしアロハシャツ→家にいる時間が増えた中で、ラフな格好でいるのに慣れてしまいました。私はすっぴん、夫もらくちんなシャツとズボンが多くなっています(笑)

掲載から漏れた3句

躑躅燃ゆ杖の老母に歩を合はせ
夏近きビルの一棟空であり
換気して薄暑のぬるき風を浴び

掲載句でも、掲載から漏れた句でも、気に入ったものなどお聞かせいただけたら幸いです!


*11月から三鷹で句会始めます。



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