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■ソー:リボーン

■Thor: Reborn
■Writer: J. Michael Straczynski
■Penciler: Olivier Coipel
■翻訳:クリストファー・ハリソン ■監修: idsam
■カラー/ハードカバー/1,999円 ■ASIN:‎ B09Y3RJCMM

「マーベル グラフィックノベル・コレクション」第8号は、『アメイジング・スパイダーマン』誌のライターを長らく務めた(2001~2007年)J・マイケル・ストラジンスキーをライターに迎え、2007年に創刊された『ソー(vol. 3)』の、最初のエピソードを単行本化。

マーベルの偉大なヒーローが戻ってきた。
永き眠りに入っていたアスガルドの雷神=ソーは虚空のなかでドナルド・ブレイクと再会し、雷鳴とともに地球に戻ってくる。そしてオクラホマ上空にアスガルドを再建し、神々を探し出す旅に出るが……。 (第7号表4あらすじより抜粋)

 収録作品は、『ソー(vol. 3)』#1-6(9/2007-2/2008)。

 なお、J・マイケル・ストラジンスキーの『ソー』誌は、『ソー(vol. 3)』#1-12(9/2007-1/2009)と、『ソー(vol. 1)』#600-603(4, 6, 8, 11/2009、通巻600号を記念して、ナンバリングを統合)、そして特別号『ソー:ジャイアント・サイズ・ファイナル』#1(1/2010)の17冊(連載期間は3年だが、途中、おそらくはアーティストの都合で隔月程度にまで刊行ペースが落ちていたので、案外少ない)、単行本にして3冊分なので、割合にフォローしやすい。……まあ、「マーベル グラフィックノベル・コレクション」では、第1巻目を定本とした本書だけしか刊行予定はないのだが。

 なお、ストラジンスキー期の『ソー』は、2015~2016年にかけて、ヴィレッジブックスが通販限定で、全3巻を(要はストラジンスキー期全てを)刊行している。こちらは通販限定だったこともあり、今ではプレミア価格がつけられているが、適価で入手できるなら、手に入れるのもいいだろう。

 邦訳でなくともよいのなら、あるいは原書の単行本、『ソー・バイ・J・マイケル・ストラジンスキー』全3巻を買うのが、まあ、手っ取り早いだろう。

 ちなみに、ストラジンスキー期(色々と新たな展開がつるべ打ちされて、「この先どうなるのだ」と思ったらライターを降りる)の後の『ソー』誌は、キーロン・ギレンが後任ライターとなり(彼もそんなに長くは務めなかったが)、当時のマーベルの大型クロスオーバー・イベント『シージ』に大きく関わることとなる。

 一方で、『ソー』第1巻で、女性の姿をとって復活したロキは、『シージ』の前章である「ダーク・レイン」期のコミックで、ドクター・ドゥーム、ネイモア、エマ・フロストらとともに暗躍をするが、あんまり印象に残る活躍をせぬまま、『シージ』作中で、故郷アスガルドのために命を落とす。

 上掲は、「ダーク・レイン」展開の際に刊行されたワンショット(単発の増刊号)、『ダーク・レイン:ザ・カバル』。ドクター・ドゥームらを主役とした短編集だが、こいつを収録した単行本が見当たらないので(単行本『ロキ:ミストレス・オブ・ミスチーフ』に、ロキの登場するもののみ収録されているようだが、他の単行本と被りが激しいので無視する)、Kindleで単巻売りされているものへリンクを張る。

 その後、ロキは「キッド・ロキ」として復活を遂げ、キーロン・ギレンがライターを務める『ジャーニー・イントゥ・ミステリー』誌で主役を張り、己の過去の罪状、そして邪悪な己自身と向き合うことになる。


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