自己物語は語らなければならない.
自己とはセルフナラティブである.(ケネスガーゲンやプルーナー)
それが意味するところは自己とは自己語りであり,自己物語でもあるということである.自己を語ることによって,自己の物語が構成され,その物語を通じて,自己が見つめ直され構成される.一見すると不思議なことを言っている.自己が先に存在するから物語が存在し得るはずだ.だが,物語を作る自己はその物語を知る前の自己である.自己物語を知った後の自己は同質の存在とは限らない.自己物語は,自己に一定のまとまりと一貫性を持たせてくれる.