故郷の男鹿を子どもたちの住みやすい町に──杉本愛里さん
稲とアガベ醸造所併設のレストラン「土と風」のランチ・カフェ営業を担当する杉本愛里さん。実は、男鹿の出身で、東京に住んでいた一年間以外はずっと地元で暮らしてきたのだとか。
男鹿で育った地元民として、愛里さんは、どんな想いを持ちながら稲とアガベで働いているのでしょうか。
保育士から醸造所のショップスタッフに転身
──愛里さんは、男鹿の出身なんですね。入社時期はいつですか?
愛里:2022年の4月です。それまで、ショップを遠田さん※1一人で担当していたので、もう一人欲しいということで採用されました。
──それ以前はどんなことをしていたんでしょうか。
愛里:ずっと保育士をやっていました。まったく別の世界に飛び込んだ感じです。
──保育士から酒蔵ですか! かなり環境が変わりましたね。稲とアガベでは主に何を担当しているんでしょうか?
愛里:レストラン「土と風」のランチ営業を担当しています。営業していない日は、レストランで使う機材のメンテナンスや掃除、酒粕ソフトクリームの仕込みなどをしています。あとは、「SANABURI FACTORY」に入ることもあります。
──「SANABURI FACTORY」ではどんなことをするんですか?
愛里:「発酵マヨ」のラベル貼りが中心です。最初のころは、マヨネーズの製造にも入っていました。2023年4月にお店がオープンするまでは、「土と風」のキッチンでマヨネーズを作ることもありました。
──こんな小さなスペースでですか。
愛里:キッチンの小さな設備で、300個とか(笑)。
──すごい。「発酵マヨ」は機械的に作ってるように思う人もいるかもしれませんが、稲とアガベのスタッフの人たちが本当に手作業で作ってるんですよね。
日本酒は苦手だけど、「稲とアガベ」は美味しい
──稲とアガベで働いていて、楽しいと感じるのはどんなときですか?
愛里:お客さんと話して、試飲してもらって、「じゃあ、買って行こうかな」と言ってもらえるときです。自分でも、稲とアガベのお酒は美味しいと思っています。もともと、お酒はそんなに飲まないんです。日本酒も苦手だと思っていたんですが、ここのお酒は甘みがあって飲みやすいですね。
──試しに飲んでくれたお客さんが「美味しい!」と感動してくれたらうれしいですよね。 稲とアガベの中で、愛里さんが好きなお酒はなんですか?
愛里:「稲とコウジとホップ※2」です。甘いお酒が好きなので。ここ(土と風)でも店頭販売したんですけど、「社長のおすすめ」って書いていたらすぐに売り切れちゃいました。
──「土と風」は、夜はコースディナーですが、ランチではコーヒーやカレー、ソフトクリームを出しているんですよね。
愛里:甘酒も出してるんですよ。今は麹が切れてしまっているんですが、できたらまた甘酒も販売します。ミキサーにかけるので、お米のつぶつぶ感がなく、さらさらしてて飲みやすいです。
──人気メニューはなんでしょう?
愛里:酒粕を使用した発酵ソフトクリームですかね。今は、「稲とハチミツ オカズミード※3」のソフトクリームを出しています。看板メニューの「鶏出汁と山椒のカレー」もですが、レシピは、毎回(井上)豪希さん※4が作ってくれています。
故郷の男鹿を子どもたちの住みやすい町に
──岡住さんのことはどう思っていますか。
愛里:何も恐れずにいろんなことにチャレンジできるところがすごいなと思います。「あれをやる」「これをやる」と言ったと思ったら、本当になんでもやっちゃうので。
──愛里さんは男鹿で育ってきましたが、男鹿の人として稲とアガベをどう思っているのでしょうか?
愛里:男鹿は私にとっては居心地がいい場所なんですが、友達とかには「何もない」って結構言われるんですよね。なので、行ける場所が増えていったり、お客さんが来てくれたりするのはうれしいなと思います。
──これから稲とアガベの中でやっていきたいことはありますか?
愛里:もともと子どもが好きで保育士になったので、子どもに携わる仕事ができないかなと思っています。(岡住)社長とも話をしていたんですが、いつか免許を活かせるような事業を始めることになるかもしれません。
──地元の人にとっても子どもが育てやすくなりますし、若い人たちが住みやすくなりそうですね。
愛里:今も「土と風」にお子さま連れの家族が来て、アイスを買って行ってくれたりするとうれしいですね。
──お酒の醸造所だけど、子どもたちが来られる場所でもある。愛里さんがいることで、稲とアガベもできることが広がっていきそうです。
執筆:Saki Kimura
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