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ソファの耐久性。実は、仕上り感に現れるのです

ソファって中が見えないし、品質の善し悪しが分からないと言われることがあります。今回はそんな質問に答え、作り手側から見た見分け方をお伝えします。
もちろん、すべてのソファがそうだという訳ではないのですが、そのヒントの一つとして参考にして下さい。

・技術の差は仕上り感に現れる

品質の善し悪しを判断する基準を2つに分けてみました。
すぐにヘタらないよう、耐久性のある良い材料を使っているか?
壊れたり型崩れしないよう、きちんと加工しているか?
と分けてみましたが、この2つは兼ね備えているメーカーと、両方ないメーカーとに分かれていると思います。というのも、良い材料を使うとコストが上がるので、販売価格も高くなります。価格の高い製品には、きれいな仕上り感が求められるからです。つまり、仕上り感が良い製品は、良い資材を使っていて耐久性もあるということです。

・仕上り感の見極め方法

その一番わかり易いのは、張り地を縫製する技術で、角や直線部分の縫い目を見比べると、技術の差が現れています。角がきれいに出ている、直線部分がまっすぐ。当たり前のようですが、これが難しいのです。
その理由は、布や革という張り地や、クッションとなるウレタンは、全て柔らかい素材です。それらの素材で、角や材で直線をつくるには、裁断、縫製、ウレタン加工の全ての工程で、丁寧に加工することや熟練した加工技術が求められるからです。

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・裁断の技術について、

裁断は切るだけと思いがちですが、パターン(裁断型)と裁断サイズの精度が重要です。布の伸び具合や柔らかさ、使われている繊維の組成、ウレタンの硬さなどを見ながら、ミリ単位で少しずつ調整して裁断しているのです。大きなソファになると、1周が5m以上あります。1%間違えただけで、5cmも大きさが変わってしまいます。ですので、素材を見極めながら、シビアな寸法で裁断する技術が重要です。

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・縫製の技術について、

柔らかいくて分厚く重たい生地を、きれいに縫い合わせるには、良いミシンだけでなく、熟練の技術と丁寧に仕事をする気持ちが必要です。とにかく早くたくさん作らなくてはならないという考え方では、技術は向上しないし、仕上りも雑になってしまいます。「いねむ」のソファを作る工場では、ドイツや日本から様々なミシンを集め、時間と費用を掛けて熟練工を育てていて、自分の誇りとして丁寧にな仕事をする人ばかりです。

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・ウレタンの差について、

ウレタンの耐久性は、基本的に密度に比例します。ですので、高密度な重たいウレタンを使うことが、長く使えるソファを製造する前提条件です。ただ、それだけではダメです。何種類ものウレタンをどの様に組み合わせるのかによって、座り心地が良くも悪くもなります。また、それらを角が真っ直ぐになるように、丁寧に張り合わせることが重要です。

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(写真のモデル:アリア

・まとめ

裁断、縫製、ウレタン加工、これらのどれに手を抜いても、きれいな形に仕上がらないのです。この3つが揃って初めて、真っ直ぐなラインがきれいに出た、仕上り感のよいソファになります。この面倒な作業を、ちゃんとするかどうかは、メーカーの姿勢の差です。ですので、仕上り感が良いソファは、おおよそ良い資材を使っているので、耐久性もあると思って良いです。
偉そうに書いていますが、「いねむ」の品質も、世界のトップブランドメーカーと比べると、まだまだです。ただ、同じ価格帯では品質で負けていないと自負しています。
それに、耐久性のあるソファを長く使うのは、廃棄物を減らして環境への負荷を減らすことにもつながります。
これからソファを選ぶ方は、角の縫製ラインに注目して、技術を確認してみてくださいね。

あなたを優しく眠りに誘うソファ専門店
https://inemu.jp/

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