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カラオケのジェネレーションギャップ

カランコロン…あらいらっしゃい。

ちょっと見て見て。料理作ってみたのよ。
え? 味見? してないに決まってるじゃない!

……え?お腹いっぱい?
カラオケ? あ、あるわよあるわよ、さあ歌って。

カラオケといえば、この間、こんな話を聞いたんだけど。
ええ。悲しきジェネレーションギャップの話よ。

50代の中間管理職の男性なんだけど、
普段、なかなか部下に良いところを見せられないから、
自慢の喉を披露すべく、部署の皆をカラオケに誘ったらしいのよ。

その男性は熱烈なチー様(松山千春)ファンでね。
さっそく十八番の「恋」を入れるよう、タッチパネルを持っている部下に言ったら。

「おおッ○○さん、いいところ付きますね!「恋」入りましたーッ」

高らかな声とともに、流れてきたのは星野源の「恋」…。

チー様とは似ても似つかない浮かれた曲調が出てきて、血圧の急上昇を自覚したらしいわ。
けれど、その後彼は訂正もせず必死に浮かれたメロディーに乗り、
不器用ながらも恋ダンスまで必死に踊ったっていうから泣けるじゃない!
その姿を想像するだけで目頭が熱くなるわ。中間管理職の鑑ね!!

こんなエピソードもどこかで聞いたことがあるわ。テレビだったかしら。
こちらはブッチー(長渕剛)ファンでね。
忘年会かなんかで、部下に、フォークの神髄を聞かせてやろうとはりきったのね。
ブッチー女々しい期の神曲「巡恋歌」を入れるよう、タッチパネルを持っている部下に言ったら。

「おおッ○○さん、いいところ付きますね!ジュンレンカ入りましたーッ」
との大声とともに、流れてきたのは湘南乃風の「純恋歌」…。

その瞬間を想像するだけで胸が痛いわ。

私も昔、河合奈保子の「エスカレーション」を入れてと当時の職場の後輩ちゃんにお願いしたところ、
ともさかりえの「エスカレーション」が入って
「ななななんぞ??@_@;」
と固まった覚えがあったわ。懐かしいわ…。

ええ。誰も責められないわ。誰も悪くないのよね。
ただ曲名が同じってだけ。時代が違っただけ…。

あらごめんなさいね。一人しゃべっちゃったわ。私の悪いクセ。
えーと、カラオケを歌うのよね、ハイハイ。
何入れましょう? 「手紙」ね!やだ、私この歌大好きなのよッ。
て・が・み…と。

ハイッ、手紙はいりました―ッ!

…ほら、曲始まってるわよ。なにポカンとした顔してるのよ?

え? 由紀さおりじゃない? アンジェラ・アキ??

ぬあーッ。もうややこしいわねッ。
入れ直すわよ。入れ直しゃいいんでしょ!

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