【最初の転職ってどうでした?】
※この記事は消すかも知れません
元々 地元の信金マンでしたが、細かい金勘定に向いていないことと、将来ずっと身を置ける所ではない(定年が早いので結局転職する)こと。そしてスキルが他の業界との互換性がないことに不安を覚え、転職するなら20代にしないとという思いで突如28歳で転職を思い立ち退職。
親が住宅関係の仕事ということもあり、家に携わる仕事をしようと思い、この歳でも始められて独立でも務めでもできる汎用性の高い業界でもある不動産業の世界へ行くことしました。
半年間宅建の勉強をし、なんとか取得。不動産の仕事を探すことになりました。
まったくコネのない私はまずハローワークへ。
地元では取引量が少ないから経験の積める所がいいと思い、お隣の福岡県で探すことに。
どんな会社がいいのか分からず、スケールメリットで『資本金の多い所がいいだろう』と、適当に考えていた私は一番資本金が大きい、とある家主業の会社に…
ハローワークから面接の予約を入れるとすぐにでも来てくれと言うので、すぐに面接へ。
『家主業』というのが当時あまりよく知らなかった私はドキドキして会社に行きました。
面接する人は幹部の人らしく、まずはこの人が一次面接をするらしい。
薄暗い会議室らしき所へ通されて、何故か電気もつけず面接開始。
面:『この会社は賃貸アパートやマンションを保有していますが、
仕事はその管理を任せている管理会社の監視をする仕事です』
私:『は、はぁ。監視ですか? 具体的にはどんなことをするんです?』
面:『そうですネ、たまに裁判所に行くこともあります』
私:『な、ナルホド(家賃の滞納で入居者を訴えるんだな)。わかりました。』
面:『ホントにいいですか? わかりました。ではいつから来れますか?』
私:『?! ん? 来るのはいつからでもできますが次の面接は?』
面:『いえ、明日から来てもらいます。明日の7時半には来てください』
私:『???』
面喰らった私は次の日からこの会社で働くことになりました
次の日に会社に行くと、朝待機している所によれよれのTシャツにヤ〇ザのような見てくれの悪い風貌の男が入り口から入ってくる
他の社員(と、いっても4,5人しかいない)が一斉に…『おはようございます!』と…
私:『誰です?』
面:『ここの社長だよ』
驚きのあまり混乱し、自分の状況を把握する事でいっぱいになった私はしばらくフリーズしました。
面:『社長、この人が今日から入った○○(私)さんです』
社長:『おぅ、そうか』と、だけ言い面接をした会議室に入る。
会議室は電気がつけられて初めてわかったのですが、奥に社長の席があり、その後ろの壁には【YAZAWA】と書かれたバスタオルが押しピンで貼り付けてありました。
その時全てを悟りました…
失敗した… _| ̄|◯
当時はあまりインターネットもメジャーではなかった事もあり情報が少なかったとはいえ、もう少しよく調べれば良かったと激しく後悔しましました。
話によると面接した幹部の方は社歴1年の人で来週退職するとのこと。
他の人は社歴は2,3ヶ月くらいの人ばかりで自分のことでいっぱいで余裕もない様子。この会社で3ヶ月続けばベテランの部類らしい。
産まれて初めて本当の身の危険を感じる…
((°ロ°"٥))
その後、仕事の全容が見えてきました。
遠方の物件は地元の管理会社に任し、地元はどこも引き受けてくれる管理会社がなく、自社で管理しているらしい。主にはその管理要員ということ。
自主管理なので内容としては主に管理物件を周り清掃の他、滞納者に対し1ヶ月滞納で鍵を替えて入居者を締め出し、家賃を支払わなければ2ヶ月目で家具を処分、売り飛ばすということを業務としていました。
入居者がつけられた時は客付け業者に契約書を作らせ(この会社は宅建業の登録はしていない)、最後の2ページ分にこの会社指定のページを差し入れていた。どうもそこにこの滞納時の条件が載っているらしい。
上記の滞納時の対応は厳しすぎると思われる方もいるかもしれませんが、当時は消費者契約法はまだ無かったので、契約書の条文の方が強い時代でした。
おかげで鍵のシリンダー交換は巧くなりましたし、普通拝めないような入居者(滞納者)の処分品を見るなんてこともありました(どこで絡まれるかわからないのでくすねることはしていません)。入居者の中にはいわゆるヤ○ザもいて、組の名刺が出てきたこともありました。
皆さん知ってます? この職業の方はエラい人程、肩書きが短いんです。
『組長』とか。下っ端になると○○組○○代理第一特攻○○ナントカカントカ…と長い。
入居していたのはモロチン長いんで下っ端なんですが、住んでると言うことは借りるときは女の名義で借りて、実際には男が住んでるパターンらしく、入居者が水系の女性なら気をつけろとも教わりました。
話を戻します。要は普段の仕事は管理業務と他のエリアの管理会社の監視ということになります。
他は総務系の雑務をしてました。前職が銀行員なのでお金を銀行に持って行ったりのお使いみたいなものでした。
『俺、なにやってるんだろ?』と、当時なんだか自分を見失いそうになったのを憶えています。
一番堪えるのが日ごとの評価。社長が朝に曖昧な指示を出すのですが、夕方にまったく違ったことを言い出し『お前は何も出来ていない』と言い出す。 自分の指示なのに記憶がないのか?と疑ってしまう。その際、結構辛辣な言葉で罵倒される。給料を安くされる口実にされてたと思う(この辺は記憶曖昧)
そういった毎日身の危険を感じることが続きました。
そんななか2,3週間か過ぎた辺りだったと思いますが、朝に社長が私の前にドンと40センチくらいに積み上げられた書類の山をドカ置きし、
『コレを全部目を通せ!お前の頭なら2,30分で理解出来るだろう。これを読んで今から福岡の裁判所に行ってこい!』
(゚Д゚)ハァ?
どういうこと?
あ、家賃滞納者を訴えたんだな。と思い、書類に目を通すと…
これ、入居者に訴えられてるじゃねーか?!
詳細についてはヤバいので割愛しますが、ナント入居者から訴えられてるのです。
しかも同様の裁判がしょっちゅうあるとのこと。
つまり被告代理人(?)として出廷するという仕事らしいのです。
あの○○(面接した人)、こんな事言わなかったじゃねーか(ꐦ°᷄д°᷅)
裁判所に行く仕事の方は何てことないでしょうけど、初めて…それも被告(代理)として出廷するとかシビれまくります!
なんか自分が悪い事をして裁かれる気分になります。
ビビりまくりながら福岡市赤坂の裁判所へ
時間があるので落ち着く為に近くのスタバへ
味がしない…⧚( ˙_˙"٥)⧛
時間が刻々と過ぎ、出廷の時間に
そこにはドラマで見たあの立ったままいる被告人席が…
正面奥に裁判官、右側に原告側弁護士の席
裁判官正面中央に私の立つ被告人席…
ついにその場に立たされ、裁判官の正面に…
裁:『君は被告の代理として来たんだな』
私:『はは、は、はい』
裁:『どういう罪状で来たのかわかっているのか?』
私:『い、一応は今朝、書類見て来ました』
弁:『どうしてこんなことをしてるのか説明してもらおうか!』
私:『そう言われても、私当事者じゃないので、
何でそういうことになっているのかは知らないです(震)』
(中略)
裁:『お前 何しに来たんだ?
傍聴席に移れ!!』
その後は傍聴席からのやり取りでしたが、この時点では訴えられてる内容しか知らされておらず、経緯は会社から何も知らされていないので答えようがありませんでした。
わけわからず 絞られて精神的に疲弊して会社に帰りつきました
その後も同様の裁判が何回かありました。
ある時は北九州の裁判所で同じ日に北九州を震撼させた監禁殺害した男の裁判が同日にあり、大勢のマスコミが裁判所にいる中を『ちょっとゴメンナサイよ~』と、かき分けるように裁判所に入ったこともありました。
マスコミのお目当ては当然違うのですが、カメラに写りたくなかったので、そういう意味でイヤな思いをしました。
そんなある日、「これはマズい」と思う事があり、早く辞めなくてはと本気で思う事がありました。
熊本に物件があったのですが、異常に入居率が悪いからと調査に行くよう指示がありました。
管理を任せてるのは2社。1社目は詳細はわからず(この会社もおかしな会社ですが今回は割愛)。2社目に行くと…
『アナタご存じないんですか?!』と、逆に聞かれ、詳細を聞くと…
その熊本の物件は入居者から水道料を取っているのですが、実は井戸水で水質検査を怠っていたらしいのです。
それが原因で入居者が1人亡くなったらしく、遺族とはお金で解決してるらしいですが、亡くなった噂は不動産業者の間で広まり、誰も客付けしないとのこと。
おそらく社長はバレていないと思っていたのでしょう。
衝撃の事実を知ったのですが、その帰りに別の場所で物件を管理している会社の社長さんから帰りに立ち寄ってほしいと連絡があり、その会社へ。
どうも管理物件で問題があったらしく(私が裁判所に行かされてる理由と同じ)、裁判所に管理会社の社長へ出廷するように言われたのを拒否したところ、会社を乗っ取られたとのこと。
そんな乗っ取られるとかバカなと理由を聞くと管理を任せられた時に応援するからと○百万円のお金を受け取っていたらしい(出資金の名目だったと…)。
今回裁判所へ行かなかったことで逆鱗に触れ、受け取ったお金を理由に自分の会社を追い出されたとのこと。
それでもたった○百万でそこまでできるのか疑問が残ったが、もらったお金を返せなくて脅しを受けていれば正常な判断はできないかもしれない(ヤ○ザの手口ですよネ)し、
管理会社の社長さんは身内に弁護士がいるらしく、早く関係を絶つように強く言われたとのこと。
この時、このままいたら自分も危ない橋を一緒に渡ることとなり、○○の片棒を担ぐことになってしまうと考え退職を決意しました。
入社して3ヶ月というスピード退社でしたが、まるで10年いたかのような濃い経験でした。
また私の後任が入社し、引き継がれていきました。
風のウワサで、彼もすぐ辞めて広島の管理会社に就職したとのこと。
この経験から働く会社は「給料の問題ではない。法令遵守をしてるかどうかだ」と思い、その後14年間を過ごす、とある会社に就職するのでした。
(To be Continued...)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?