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インドで料理嫌いをなんとか克服した話

日本にいる頃、私は料理というものがとんでもなく苦手でした、苦手というか大嫌いでした…それは今まであまりにも失敗が多かったり、トラウマ的になっていた部分があったからで、結婚相手の条件に「家事ができ、料理が得意なこと」と挙げていたくらい。(ちなみに我が母はとんでもなく料理上手です、遺伝どこへ…)

結果料理上手な男性と結婚し、結婚半年間は彼の美味しい手料理を堪能したわけですが、なんとその後インド赴任。ナンだって!?料理しなきゃいけないじゃないか…(絶望)出張過多のトンデモナイ働き方の夫に料理をしてもらうことは難しく(そもそも帯同の奥さんは皆料理している…)、インドで料理を「せざるを得ない」環境になりました。

日本にいると惣菜や加工食品が多いですが、電気が安定的でなく物流に障害が起きやすいこの国では、まず惣菜なんて!!ありません。あっても衛生的に問題が起きる要因が山のようにあるので、おそらくインドの方でもなかなか買わないかと…今まで料理をする際に頼っていた「冷凍食品」や「スーパーのお惣菜」という料理嫌いの救世主が消えているインド

素材は山ほどあるが、加工品が全然ない、肉も限られているし臭い(皆さんタイで大量に肉を買いスーツケースに詰めて持って帰っていたりします)、食べられる魚は超絶少ないので、調理をしないとQOLを上げられない絶望的状況(いやほとんどの駐妻さんはそんなに苦労されてないんですがたぶん…)。渡航してすぐは、インドだから云々ということは少なかったですが料理しないといけないことが嫌すぎて泣いてました。とんでもねえ嫁…

素材は山ほどあるんですよ・・・安いしね・・・でも調理しなきゃ食べられない・・・(絶望)

毎日お弁当含め1日3食の料理を作ることになり、お弁当だって?!私が作って欲しいくらいだ!なぬうううう!?と発狂していた私ですが、これは料理をしないとQOLを上げられないインドのおかげで筋金入りの料理嫌いが少しだけマシになった話。

そんな料理嫌いが治った(間違えても料理上手、ではありません。あくまでもなんとか食べられる程度…!)理由としては4つ。筋金入りの料理嫌い(私ほどの人はあまりいないと思うので料理得意よ!て人はそっ閉じしてください…)をなんとか改善できた理由がこちら。

1.料理を楽しむマインドセットと環境作りをしたこと
2.食べてもらう人に褒めてもらうこと(もはや「美味しい」と言わせるハラスメントに近い…ごめんなさい)
3.手順や材料の理由を説明しているレシピを見て練習すること
4.食材に興味を持つこと

1.料理を楽しむマインドセットと環境作りをしたこと
これが一番大切でした。料理が嫌いすぎて、おそらくYouTube上にある「料理嫌いさんへ」のような動画はほぼ全て視聴しましたが、自分にしっくりくるのは1つだけ。このやまさんという方の動画がとても納得感があり、まずは料理への嫌悪感や劣等感を通して自分の心と向き合う、というプロセスを経ることになりました。

この動画を見て衝撃だったのは、料理が嫌いなのはメンドクサイからなわけではなく、「料理がおいしくない場合の反応にもう傷付きたくないから」という防衛的な感情がある、という点。
過去の経験からまさしくその通り!めんどくさいだけではない感情が絡んでいたのか、と認識できたのも大きかったです。

また、料理が楽しくなる環境作りも重要とのこと。自分が楽しく料理して、美味しい料理をイメージできるようになる環境を作る。これもかなり大切で、当たり前ですが「めんどくせーなー」と思いながらする料理と「これはきっとおいしくなる」と思いながらるんるんする料理では結果が月とすっぽん。(ていうかめんどくさ、と思いながら作っていたものを食べていた夫、ゴメンヨ…)

私の場合はノリノリの洋楽をかけて歌いながら、そして自分をほめながら(大事!)これは絶対美味しくなるう!フウ🎵と思いながら作っていました。これをすることによって、料理への嫌悪感がどんどん薄れていき、キッチン不登校症候群を発症しがちだった私がキッチンに行くことが前より苦痛ではなくなりました。いつもとびきり美味しいお料理を作ってくれていた母も、料理をするときの気持ちが1番大切!と言っていて納得しました…!

2.食べてもらう人に褒めてもらうこと
言わずもがな、この「褒めてもらう」という行動を強制されたのは夫です。自分で褒めるのももちろん超大事ですが、やはり他人からの賞賛、という成功体験の積み上げは大切なので、毎回強めに「美味しい?(美味しいと言わないとあかんで?あん?とガンを飛ばしながら)」と聞いて無理やり(おい)褒めてもらっています。劣等感が強い物事に関しては、やはり褒めてくれる存在は必要と再認識。美味しいハラスメントに応えてくれてありがとう夫よ…

3.手順や材料の説明をしている料理動画を見ること
私は元々理屈屋で不器用なので「見たようにやれ」が絶望的にできない一方で、理屈が分かれば少し前進できるタイプ(こういうタイプが一番ややこしいわ…)。

そんなわけで、「なぜこのタイミングでこれを入れるのか?混ぜるのか?」が説明してあるコウケンテツさんの動画やクラシルさんの動画等をよく見ていました。化学大好きの夫がよく「料理は科学だ」と言って横から科学的に説明してくれており、最初は「オイオイ説明するなら作ってくれよ」と反抗していましたが、結果的に手順や材料の意味が分かってくると納得感が増し、とりあえず食べられるレベルの料理ができるようになりました。(とりあえず食べられるレベルであって絶品では決してない)

インド食材を使った料理教室も素材のことや手順について説明してくれとても面白かった…!

4.食材に興味を持つこと
インドの野菜は食材も不ぞろいで、虫がこんにちはすることも、可食部が少ないことも多いし(土が豊かではないので上手に生育しにくい)、日本の野菜のように同じ形には切れないことがほとんど。蓮根なんてめーーーっちゃ細くて小さく、煮物になんて絶対できない。
ただ、知らない野菜や豆(ベジタリアンがかなり多いため豆をたんぱく源にしていること多々)に興味を持ってこれらを元に何か作ってみよう!マインドになれたことも大きかったです。

インドのお豆の種類は超豊富。スーパーでは2列くらいがほぼ全部豆の棚です

また、スパイスの使い方は多種多様で、アーユルヴェーダ的価値観も入っており文化的にも学ぶことがたくさんで興味を掻き立てられ、ビーツやざくろ等日本では手に入らない食材を調理することも楽しくなってきました。(ざくろジャムはめんどくさすぎたので1回で終了)

そんなわけで生まれてこのかた料理が大嫌いだった私が料理の上手下手関係なく楽しく料理できるようになったのは間違いなく素材しかないインドのおかげ不便さは人の劣等感をも克服するチャンスになりえるのだ、と思ったのでした。

それでは今日もキッチンに立ちます。まだ「なんとか食べ得る料理」しかできていないので、料理上手な皆さま色々コツを教えてください!

インドでは必須のスパイスたちを試すのも楽しい


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