ビジネスハウトゥー本・サイト、信頼しきって大丈夫?
こんにちは、本屋巡りが日課の、乱読読書家、エイです。
乱読というのは、様々なジャンルの本を、節操なくあっちこっち読みあさることです。
そんな乱読派な私ですが、実は苦手なジャンルの本があるんです。
それが、ビジネスハウトゥー本です。
「億稼ぐ〇〇」
「年収〇〇のサラリーマンが、FXで〇〇に!」
「素人Youtuberが登録者〇〇○万人にしたノウハウ」
こんな感じのタイトルの本が、すこぶる苦手です。
(ビジネス用語が苦手(というよりアレルギー)で、「営業」「納期」「年収」という言葉だけで、冷や汗と鳥肌が止まらないから、かもしれませんが……)
実は私、年収ゼロのニート状態になってすぐ、こうしたビジネス本を漁っていた時期があります。
図書館、本屋、古本屋、クラウドソーシングサイト、などなどなど。
どうにか休養中でも、お金を稼ぐ方法がないか、と探していたんです。
本やサイトに書いてあるのに則って、ブログを立ち上げてみたり、ライターの仕事をかじってみたりしたこともありました。
そして現在、「ビジネスハウトゥー本・サイトは、眉唾なのだ」という謎の悟りに到達しました(遠い目)
今回お話するのは、ビジネスハウトゥー本・サイトを通して、ますますビジネスアレルギーになってしまった、残念な人間のお話です。
同じ穴のムジナにならないよう、参考にしていただけたら幸いです。
「〇〇したら稼げる!」は、
「〇〇したら稼げ”た”(人もいる)」
いろんなビジネスハウトゥー本やサイトを読んでいて、次第に気づいたことがあります。
それは、本のタイトルになっているような「〇〇したら稼げる!」は、実際は「〇〇したら稼げ”た”(人もいる)」ということです。
これは大きな違いです。
ビジネスハウトゥー本の中には、成功した一部の人の過去を、実録本にしたものが数多くあります。
一見すると、同じような手順を踏めば、誰でも同じ人生を歩めるように感じてきます。
しかし、よくよく読んでみると、その人が無意識に重ねていた、それまでの積み重ねであったり、偶然のめぐり合わせ(つまり運)など。
その人特有の要素が、大きく関わってきている場合が少なくありません。
「〇〇したら、稼げる!」という本は、「この人は、〇〇したら、稼げた人です」という紹介でしかないことを、忘れないようにしましょう。
また、「自分の仲間の〇〇も同じ方法で成功した」というのも、同じ分野に生きていたら当然に起こる必然です。
「この方法で成功した」という人が、2,3人、もしくは100人、と明確な数字が打ち出されていても、簡単に信用してはいけません。
成功した人の数を数えて、その人と一瞬でも関わった人をかきあつめれば、簡単にそれくらいの数字にはなります(たぶん)。
そもそもとして、「〇〇したら、〇〇できた! 驚きの〇〇○!」というのは、ブログの表題の付け方のテンプレートです。
実際に自分が体験していなくても、お金をもらって、「体験した風」に書いている記事も、ネット上には少なくありません。
(ここだけの話、私自身そんな記事を書く仕事をしていたことがあります…。)
「〇〇すればいい」の「〇〇」、
本当にできる?
よく、「これさえすれば稼げる!」なんて文句、聞きませんか。
書籍の表題になって、本屋で平積みされていることもあります。
一見して簡単そうに見えますが、実際しっかり読んでみると、「おや?」と思うことがあります。
明らかにおかしな行動が、さらっと書いてあることがよくあるのです。
ブログでいえば、「人気のブログを研究してみましょう!」のあとに、恐ろしい執着心がないとできないような、細かい手順が書いてあったり。
有料コンテンツを買わされるような内容が書かれていたり。
一部の人にしかできないことが、さも誰でもできるように書かれていたり。
結局、「その人だからできた」ことを、「みんなもやりなよ」と押し付ける内容のものが、かなり多い印象を受けました。
ビジネスハウトゥー本を出している時点で、その人自身に、何か他人と違うものがある、と覚悟したほうがよさそうです。
「言う通りにしてできたこと」は、
自分を殺してしまうこともある
ビジネスハウトゥー本などで、私が一番怖いと思うのが、この部分です。
言うとおりにしてうまくいっても、結局それは、自分の幸福にはつながらない可能性がある、ということです。
もちろん、お金さえあれば、それで問題ない、なりふりかまっていられない、というのなら話は別です。
だけど、仕事に生きがいを求めたり、自分の幸福を大事にしたいのなら、ビジネスハウトゥー本の操り人形になるのは、考え直したほうがいいかもしれません。
これは、学生時代、若くして作家デビューした、とある友人に聞いた話です。
その友人曰く、「小説家としてデビューするのは簡単。賞の傾向さえつかめば、誰でも取れる」、とのことでした。
現在も本屋には、小説の大賞のとり方や、作家のなり方についての本が数多く出回っていますし、わからなくもありません。
しかし、友人が言うところによれば、「賞に合わせて本を書いても、その後自分の書きたいものは書けない(書かせてもらえない)」ということでした。
結局、誰かの言う通りにしてうまくいったものに、自分の意志はないのだ、というのです。
自分がしたくないこともするのが仕事だ、と言われればそれまでですが、自分を不幸にして稼いだお金で、一体何をしたいですか?
ビジネスハウトゥー本、サイトの中には、道徳的に曲がったことを、平気で「ビジネスノウハウ」として載せている本も数多くあります。
人を騙すこと、出し抜くこと、盗むこと。
それらを「ビジネスノウハウだから」と飲み込めるのなら、どうぞ、言うとおりにしてみてください。
だけどもし、自分を責めたり、辛くなったり、後ろめたくなったりするのなら、その本やサイトはあなたにとって毒にしかなりません。
ビジネスがアレルギーになる前に、
程よいところで手を引こう
ちなみに私は、「いい大人が、ビジネスノウハウも知らないでどうする!」と、粘ってみました。
お金を稼ぐには、多少嘘を言ってもしょうがない、これくらいみんなやってる、と言い聞かせ、クラウドソーシングに時間を費やしました。
たとえ原稿料がどんなに安くても、匿名だから仕方ない、お金がもらえるだけありがたいと思わなくちゃ、と自己暗示をかけていました。
結果として、あるとき私は、一文字も字が書けなくなりました。
やらなくちゃ、と思うのに、頭が嫌がり、言うことを聞かないのです。
自分が薄っぺらい、偽りだらけの文章を書くロボットになっていることに、気づいてしまいました。
何もかもが虚しくなりました。
悲しくなりました。
人を騙したお金、見るだけで嫌になりました。
何を買っても心は躍りません、罪悪感だけが、じわじわ広がります。
ビジネス本を買って読もうとしても、涙が止まりません。
この文章も、誰かが読者を騙してお金をもらうために書いてるんだ、と思えてしまって仕方がなかったのです。
(もちろん、高い志を持って書いていらっしゃる方も、たくさんいらっしゃるでしょうに)
もしあなたが、ビジネス本・サイトに踊らされそうになっているのなら、今が引き際です。
この記事を読んでも、「考えすぎじゃない?」と平然としていられるのなら、そのままビジネス本・サイトを参考に、ビジネスを頑張ってください。
でも疑問やゆらぎが生まれたなら、不快感を覚えたなら、その本、サイトから、早々に引き返してください。
働けなくなったら、もったいないです。
もしかしたら、もっと素敵な働き方があったのかもしれないのに。
あなたは「ビジネスノウハウ」や「ビジネスハウトゥー本」について、どう思いますか。
エイでした。
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