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逆縁の菩薩

悪事を働くことで、かえって仏道に入る縁ができることを逆縁と言う。

詩人の相田みつを氏は、苦しみや悲しみ、そしてそれを自分にもたらす人との縁もまた、自分が成長するために与えられた仏さまのお導きであるととらえ、それを「逆縁の菩薩」と述べている。

人生では、時に、とんでもない屈辱を与えてくれる。そのような人との出逢いがあるわけである。

今思い出しても、怒りがこみ上げてくる。

そのような強烈な屈辱である。

「あいつだけは許せない」

30年経った今でも、決して忘れることができない最悪の出逢いのこと
である。

しかし、彼らは、自らの劣等感に
気づかせてくれたのである。

劣等感という傷口に、塩を塗り込むような役割を果たしていたのである。

自分の弱さの傷口を広げて
それを喜んでいたから、
許せなかったわけである。

そして、決して忘れることの
できない屈辱感とともに、
劣等感克服のための新たな夢を
与えてくれたのである。

「あいつらに目にもの見せてやる」

あの屈辱があったゆえに
絶対に実現しなければならない。
そのような夢が生まれたのである。

逆縁の菩薩の存在が、
夢実現の起爆剤となったのである。

このように逆縁の菩薩が、
我が人生に果たした役割は、
大きすぎるのである。

感謝しても感謝しきれないほどの
尊き振る舞いをしてくれたわけで
ある。

30年以上経ち、気づいたことである。

だから、これからの人生は、
屈辱を与える人に対して、
最初から、感謝と祈りで向きあおう。

そう決めたのである。

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