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先祖物語と自分物語

人生には、先祖物語を
ベースとしたシナリオがある。

好む好まざるに関わらず、
ご先祖の誰かの人生が、
パッチワークのごとく、
織り込まれたのが、我が人生と
なる。

それゆえ、努力をしている時も、
努力をしていない時も、
先祖物語という抗えない
大きな流れの中に生きている
のである。

だから、ただ流れに乗れば
良いのである。

そうやって、行きたくない場所や、行きたい場所に、たどり着けば
良いのである。

その時々で自分自身というものを
とことん学べば良いのである。

そして、人生の真理に気づけば
良いわけである。

であるのに、人生の前半は、
その大きな流れに徹底的に
抗うわけである。

あるべき姿にこだわり、
ご先祖と同じ轍を踏まないように
努力するのである。

ご先祖のような目に遇うことが、
とにかく怖かったのである。

そうやって先祖物語とは
違った自分物語を生きるのである。

自分ならではのシナリオで、
生きるわけである。

しかし、その自分物語も、
両親の曾祖父母の人生まで
さかのぼると、
先祖の誰かの物語をモチーフとした
ものと気づくわけである。

ここに至り、人生には、
抗えない大きな流れがあり、
その回避したかった出来事を
必然だった、善きことだったと
受け入れるのが、自分物語を
生きるということなのである。

我が人生とは、先祖物語が
散りばめられた、自作自演の
人生舞台である。

この厳然とした事実に気づけば
良いのである。

途中ハラハラドキドキ、
ハッピーエンドで終われば、
それで良いのである。

どこかで、観客の目線がなければ、
自分物語は、楽しめないのである。

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