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真理をつかみたいなら

「満身創痍に、縦横無尽に受けた人生の切り傷を通じて、つかまれた真理でなければ、真の力とはなりがたい」
                                                       森信三

真理をつかみたかったのである。
本当のことを知りたかったのである。

人生についての原理原則、根本原理を知りたかったのである。

であるのに、傷つくのを恐れていたのである。

できれば難なく、できるだけ無傷で、真理を獲得したいと考えていたので
ある。

あらためて思うに、人間は、濡れた
雑巾のようなものである。

そのままでは、使いものにならないのである。

だから、人生で艱難辛苦に出会い、
絞られる必要があるのである。

これでもかと思えるくらい
自らにあるネガティブな思いが、
辛い思いとともに、絞りだされる
のである。
濡れた雑巾が、乾くくらいまで、
絞りに絞られなければならなかった
である。

そうやって、初めて使いものに
なるのである。

それゆえ、真理をつかみたい。
でも無傷でいたいなどという思いは、
明らかに、戯言(たわごと)だったわけ
である。

思えば、人生には、これでもかというくらい絞られてきたのである。

しかし、それは、仕方のないこと
だったわけである。
なぜならば、真理を知りたかったから
である。

ようやく、森信三の言葉が、
身に沁みてきたのである。

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