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拒絶と勉強

話したり会話したり 書いたりすることがすきで
相手は自分の映し鏡 反応や返ってくるものはさまざまあれど
発したものは 受け手次第で如何様にも変化するもの
どう捉えてほしいかなどはなく ゆだねるだけ
ある日 無言という拒絶に気がついた

ひとことも発さない意思表示には 興味がない
どうでもいい 余計なお世話との思い
気がつけば何となしに もやっとした感情がよぎり慌てる
無視されるかなしみ 存在を無いものとされる耐え難さ
幼さあるいは いたずらな好奇心かもしれない
暴力同様に 受け手の心を裂く行動を取る前に
立ち止まってほしい そうする他ないのか

一方で “とりあえずマイバックはどこにでも持っていくようにするよ!”
と元気よく 涙が出るような朗らかさで返してくれた友がいて
言い表せぬ温もりを受け取ることも 彼女は高校の同級で
こちらのにんげんがわかっているから 汲み取ってくれたものも
いちばんは 私の伝え方がまずかったのだろう
つたわるように伝えること 相手の状況や興味の方向性
タイミングやちょっとした引っ掛かりがあると 思いは届かず響かないまま
本気で何かを変えたければ やっぱり自分が変わるほかない
反省しつつ また進んで

  “関係のないものなんてない!”

三國連太郎の 圧倒的な迫力に震え
本当にそうだ 住環境に地球 宇宙空間
食に生業 家族に親戚 夥しい数の生命体に無機物
ないものを提示する方が難しかろう “関係ない”という言葉の重苦しさに
ときに押し潰されるけれど いまこの瞬間に
この世に生きている不思議と運命は 揺るぎない
きっと出来ることがある いかされた意味もいつかわかると
堪えるうち辿り着ける風景があるはずと いまも思う

広く勉強した人 知的好奇心が旺盛な人
自分の中にアンテナがちょこちょこあって 会う人や話からぱっとあかりが
灯るような 同じ人がひとりとしていないからこそ
かしこくて わからない相手にもわかるよう待ちながら話せるひと
相手の知的好奇心は揺さぶられ 大いに刺激を受け
興味が湧く もっと知りたくなる
そして つながっているんだと
そのひとの中で道が拓かれ始め 景色が変わっていき

学びの場は多様 年月で明確に表せない歴史もある
小中高卒中退に関わらず 学びを続け
深くを進んでおられる方は少なくない 終わりがないから
どこまでも飛べる 探究し続けられるしあわせ
血肉の通った言葉たちや冒険譚は 幾度聞けども飽きぬ
刺激を受け 自分でも何かやってみて
手を身体を動かし 一歩踏み出して感じられる力
湧いてこない感謝 波動はつたわってゆく

勉強は役に立たないのではない 勉強と思って学ぶかそうでないか
楽しい気持ちあるところに 成長もある大いなる種まき
芽吹くかそうでないか 恵みのおひさまや水は
いつでも待たれるところへ やって来る

数人のともだちは めっきり友人の少なくなった己にとって貴重な存在
いままでは知り合いが多かったのだと思う 一度会ったら友人知人
ひとの顔や名前をわりと覚える性質で 会えば話をし
いま思うと 皆よく付き合ってくれていたと思う
歳の上下や性別もいろいろ いつでも誘いに応じ
食べて飲んでは語らい 山に海に自然を巡り感謝は尽きない

次第に ものと同じく人付き合いにもキャパシティを感じるように
すべてのひとと仲良くすることもないかと 転勤族だったこともあるか
まずは馴染み 関係を構築していたが
合う合わないに時間を割くより 付かず離れずに留めればまた
自然と流れていくものがある 余分の感情を差し挟まず
結論に至らない会議や 開催意義を考え込む会も
命の時間はみじかく その使い途に思い馳す

   “家にいて、渓(たに)のことを考えている釣り人は夢想家
   (ロマンチスト)である。竿を出し、目印を眺めている時には、
    だいたい、釣り人は哲学者である。魚がかかった瞬間に、
    釣り人はこの地上で最も幸福な人物になり、家に帰ると、
    その釣り人はただの法螺吹きになる”

何より決断が鈍るようになった ぱっとわかっていたピントは合わなくなり
感覚を研ぎ澄ましておくべきタイミングに 詰まる瞬間が増え
持ち過ぎたことを知る ひつようなものは減らせばわかる
時をかけたいもの 錬るときを要するもの
少々の彩りが見せてくれる風景 日々にたくさんの愛を


Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛