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創造性と生命力 『アーティスト・ウェイ』

やるか、やらないか
自分の壁を超えられるかは 考えていないで行動に移せるかにかかっている
“行動こそ、自由への鍵” 考えるより先に動いていた頃は彼方
いかにぐうたらになったか あるいは考える隙間がある物事に
埋没してきたか 創造性を軸にした実践は
霊性(スピリチュアル)の道で 育むのは養分
充分な滋養を受け取ることから 自分自身に正直に
ありのままに 物事を受け入れて生きること
長らく放っておかれた 否定的な思い込みを打ち消す
肯定的な信念を くっきりと自分の中に培うこと

無意識にやってきたことや その場のおかげで生まれ来た習慣も
気候や環境など周囲の影響を受け 心身バランスと共に崩壊しやすく
兆しをないがしろにせず すみやかに対処する必要性を思い起こす
心を動かすために体を動かすことは いつでも助けになる
気分の高揚は 自然との交流でもたらされる
ものごとの自然な流れに身を任せ あらゆる助けに心を開く姿勢
日々自然へ向かい 自分をチューニングすることは理に適っていた

   “行くことによって、どこに行くべきか知る”
   “本気で関わった瞬間に、神意も働く”
   “創造性は 自分が何者で、何をしているのかがはっきりすると、
    私たちを貫いて流れるエネルギーがよどみなく流れ、緊張を解す”

気がついた頃には アーティストというのは身近な存在だった
俳句を詠み 詩を書き 絵を描き 彫刻をうみ 糸と共にあり
花を生かし 版画を彫り 料理をつくり出し 森のなか木々を仰ぎ
海に山に駆け 草原を歩き 音をうみ 全身を動かし 田畑にあり
波に乗り ステップを踏み いきものと添い
色々の場所で出逢ってきた 愉快な人びと
笑顔が広がっていくアトリエや工房まわり 自然のなか
独自のリズム 素晴らしい流れと調和
絶えず仕事をし いつでも稽古や舞台に備えること
小さな積み重ねを支える 健全な生活と日々の習慣
それらが ひとつの安定した流れを作っていくのだろう
やむことのない波動が 創作意欲を根幹から支えている

傷ついたことのない人はいないから おーなり由子の一節
細部は違ったかもしれない “ぼくの受けた傷には ぼくの血が流れる”
誰もわかってはくれずとも 自分が理解者であればへいきと指針になって
喪失の苦しみを乗り越え チャンスに変えるエネルギーに転換していくこと

初恋は手酷く終わりを迎え 体調を崩して暫く治らなかった
心身相関的な症状となって現れる クリヤ(サンスクリット語)だった
見かねたルームメイトが キッチンにおいで、スープを作ったからと
ちいさな空間を満たす美味しい香り 湯気立ちのぼる碗
ひとくちごとに 温かなエネルギーが広がり
体は熱を取り戻し 湧き上がった力に驚きながら感謝があふれた
彼女の気持ちと料理が 深い滋養を与えてくれた

   “細部を見ることは、常に癒しをもたらす”

それぞれの瞬間の美は 今この場に引き留めてくれる
内側に降りて 辿る過程に興味があった
ガイドするもの、導き手 闇と光は絶えず交差している

 “アーティストウェイは霊的な旅、自分自身へ帰る巡礼” に等しく
 “他人への償いではなく 自分自身への償いの旅”
 “名づけようのない傷になっていた言葉を 言葉でもって癒してあげたい”

筆者の思いが痛いほど刺さる 言葉は時に刃物で無力に思えることも
実際の動きにまさるものなし それでも言葉は時に光を運ぶ
痛みを押し込めてきたすべてのひとに 開いてみてほしい

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(The Artist’s Way ――
A SPIRITUAL PATH TO HIGHER CREATIVITY; 25TH ANNI.ED.)
(初版’01、米国’97)(Julia Cameron、菅靖彦訳・’17・サンマーク出版)

Photo; from T


Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛