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ニャオニャーオ 増殖するノラよ

ちいさな庭にも 日々の落し物は少なくない
朝が来て窓を開けると 風とともに鼻を突く臭気
近所をゆうゆうと歩き回るネコが 増えたなと思ってはいた
ある日散歩の途中で 駐車場にうずくまる女性を見つけ
大丈夫かなと思いかけはっとしたのは 周囲に溢れていたネコのため
餌を与え可愛がっておられるが 排泄物の始末はどうなさるおつもりか
イヌは基本的に繋がれており 赤子も気持ちがよくないぞと泣くから
排泄しても周囲が除く 放たれた状態のネコとておなじ生きもの
食べものの果てを世話するつもりがないなら あたえる意味を考えてみて

障害を持つ人の就業やくらし また国際協力における援助の話題によく上る
   “与えることは 〔機会を〕奪うことに等しい”
野生の生きものと 人為的な増加が焦点になるイエネコやノラネコ
ノネコでは同一に考えられなくても 比重の偏りは明らか
先日聞いた “与えられることは 与えることでもある”
そうだなあと 素直に受け取る姿勢が大切になるシチュエーションも

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野良猫といえば ガリガリに痩せこけて眼だけはギラリと
というものだった頃も 今や過栄養などによりぶくりと肥え
にゃあと鳴きながら近くへ寄り来る 旅先でネコを見かけ
ついシャッターを切りもするが 異様に頭数が多い時には観光資源に
なっているのか 負担を強いられる人もいるだろうなとうっすり過る
以前なら自然淘汰され調整されてきた頭数も 動物愛護の名のもとに
珍事象も巻き起こり 根はどこにあるか見る視点を忘れずにいたいもの

自宅から離れた住宅街の一角や 自然のなかで生きものに餌をやり
暫し時を過ごす様子 通行人に背を向けたまま視線が合うことはない
人との接触は欲するところではないのか 本来数多のネコが存在しない
場所を通るたび 人が自然に与える影響の大きさを目の当たりにする
一生を通じてのつながりや 責任を負うことのない交わりを求めるなら
街中の猫カフェでの触れ合いタイムこそ 最適解なのかもしれない

ネコを排除すれば解決するわけではなく バランスの取り方にある
しかし人為的な変化は 人の手をかけないと対策や解決も望めない
避妊去勢手術を受けさせ 室内飼いをすることは
交通事故や病気から愛猫を守り おだやかに一生を送ることにつながる
ノラネコ(地域猫)であれば TNR(*)を進めることが
大規模な繁殖を防ぎ 人や他の生きものとの共生の一助に

ネコの歴史は古く 世界中に暮らしている
驚くべき繁殖能力の高さ 仔猫は生後約半年で繁殖可能になり
年におよそ2~4回の出産 瞬く間に頭数が増える可能性がある

ノラネコの食事状況が気にかかるのも 懐いてほしい気持ちも分かる
餌を与えることや飼育を放棄して捨てることは 無秩序な増殖への加担
地域猫の繁殖も 人間同様に状況を踏まえる必要がある


*TNR: Trap(捕獲), Neuter(不妊去勢), Return(Release, 元の場所に戻す)。ノラネコを捕獲して避妊手術を施し、元の場所に戻す活動。不要な繁殖を防ぐことを目的とする。手術の際に耳カットを行い、処置済みの印にする。耳先の切れ込みの形から、術後猫を“さくら猫”と呼ぶ。手術により発情期の鳴き声やマーキングの抑制が期待できる。猫飼育希望者への譲渡が理想だが、うまくいくことばかりではない。ノネコは人と接することなく育った場合もあり、凶暴な個体も多い。人に慣れさせる訓練など、人手や時間が必要になる。野良猫にも警戒心が強いものから人慣れしたものまで様々だが、各地で譲渡が行われている。屋内での終生飼育が家族に迎え入れる条件で、予期せぬことが起こっても対処できるか、前以て家族全員で検討する必要がある。猫に興味が湧いた、あるいは共に暮らすことを考えたときには、ペットショップではなく動物愛護センターや保護猫カフェを訪ねてもらいたい。

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Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛