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サードプレイス 『学校に居場所カフェをつくろう!』

光や風を感じる場所 お茶が出てきて話しやすい雰囲気がある場
井戸端や祖母の家のような 思い返してみればいろいろの場所で
かなしみを吹き飛ばし朗らかに笑い合って 夢を見て行動してきたのだった

ほこほこのお饅頭やお団子 漬物にふくらかん 缶コーヒー
淹れたてのお茶 お湯呑みとティーカップと 食べものをすすめられ 
互いに口を開き合えば 雰囲気も和らいで
生きている 相手も命を繫ぐいきものなのだという感覚が
皮膚の表面以外からも入り込む 口を開けば心もひらき

ふっとひとりで 友と喋りに 行き詰まりを感じ 恋に破れ
何かあってもなくても ただ受け容れてくれるどっしりとした木の椅子
華奢なスツール あたたかな石のタイルが傍にあった
薄暗く仄明るい場所 喫茶店やバーの片隅で人びとの装いや空気を感じ
飄々とした雰囲気 むずかしげな表情 様々の色合いに触れる社交場
そこここを流れる時が 自分の中にも新たな風を

無意識に孤独を抱え 緊張を解す場や肯定的受け止めを必要としている子も
少なくないのだろう 安心・安全でほっとリラックスできる空間
それぞれの過ごし方で 人との距離感を自分で選択でき
「他人の価値観を押しつけられない自由」がある場 ただそこにいたらいい
「無条件ですでに参加できている」 そして大人たちにも
自分の内にある 子どもの頃から大事に思っていることを表出できる場が
 
排除や攻撃ではなく ゆるやかな理解や面白がるスタンスは
縮こまった体から余分の力を抜いていく 地域内で人びとが交流し合うと
顔の見える相手が増え 対話により困りごとをキャッチする機会も増す

教育を目的とする高校 家族全体をみる福祉 社会的に孤立させない
ローカルとソーシャルの力 密接に作用し合うものをカフェは繫ぎゆく 
欧州で見られる 「学校の中にいろんな人がいて
居場所をいろんなところにつくる仕掛け」 くっきりと線を引かず
バッファーを設けること いろいろの人やものが混じり合う場は
歩み寄りや理解を促し 「支援の多層性」は言語や文化 生活上の助けを
必要としている外国の人や あらゆる組織においても有用だろう 

『学校に居場所カフェをつくろう!生きづらさを抱える高校生への寄り添い型支援』(居場所カフェ立ち上げプロジェクト編著・’19・明石書店)

Buffer 衝撃・衝突や急激な変化を吸収するもの

『迷子のままで』(天童荒太・’20・新潮社)  困難を抱えた環境にある当事者が登場する。多様な人々との共生についても。

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛