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読み解き、的確に答える(小論文練習問題)

高校入試、大学入試でいわゆる「推薦入試」がその割合が増してきている。その選抜方法の中に小論文があるが、なかなか太刀打ちできる力を育てるには根気と時間がかかる。

以下の文章は中学3年生の塾生に出した問題だ。指導が始まった頃は400字の半分を埋めることができなかった彼女も、今では200字、400字の合計600字を制限時間内に終えることができるようになった。

入試対策が目的ではあるが、願わくば物事を熟考する体験が子どもたちに広がってもらいたい。以下の文章は、そのほんの一部である。

「視野」

錦織圭は日本を代表するプロテニスプレイヤーだ。2015年には世界ランキング4位にまで上り詰めた、言わずと知れたヒーローだ。

そんな錦織にも、世界の選手を相手になかなか勝利を上げられず、世界ランキングもなかなか上がらなかった苦しい時期があった。

2007年、当時の世界ランキングTOP3に長きにわたり君臨し続けていたロジャー・フェデラー(スイス)に、日本人記者が質問をした。

「なぜ日本のテニス界からは世界的な選手が出ない?」

フェデラーからの返答に記者は絶句した。

「何を言うんだ?日本にはクニエダがいるじゃないか。」
国枝慎吾。2006年に車イステニスで世界ランキング1位を獲得した人物だ。日本人記者の想定を大きく超えたフェデラーの返答に日本中が称賛した。フェデラーには健常者テニスも障害者テニスも関係ないのである。ただ大好きなテニス界で、尊敬に値する国枝慎吾を称えていただけなのだ。

日本人は世界からまだまだ多くを学べる余地がある。いかに狭い視野で物事を捉えているか。そして世間の目の届かないところで称賛される人やモノがあることを。いかに偏見の中で私たちが生活していることを。

問1 「狭い視野で物事を捉えている」「偏見の中で生活している」と感じることについて体験を交えて200字で書きなさい。


問2 高校生活の中で問1に陥らないために、どのようなことに気を付けながら生活をおくりたいですか。400字で書きなさい。


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