こども食堂で笑顔のこどもたちが増えるように
新宿区議会第4回定例会が行われ、私は一般質問でこども食堂をテーマに質問しました。
質問は4つ、わずか5分の配分でしたのでとても早口になってしまいました。
【質問1】こども食堂の意義、今後の支援策について。
【質問2】他区ではこども食堂紹介サイト・チラシが充実。新宿区は、リンクのみや助成した団体だけ紹介。改善できないか。
【質問3】子ども未来基金の有効活用を。
【質問4】地域コンサルティング事業の展開について。
【質問1】こども食堂の意義、今後の支援策について
SDGsが目指す、誰一人取り残されない社会をつくり、こどもたちを育てるのは大人の責務です。こどもも大人も、孤独にならずこども食堂のような場所で安心して過ごすことができれば、大切にされている、認められているという実感を得ることができます。そうした経験は生きる希望につながります。区としてこども食堂の意義をどのように考えておられるか、また今後の支援策についてご説明ください。
★コメント★
こどもも一人の人間として人権があり、学校・家庭以外の居場所があることで希望が生まれるということです。区の答弁は、まとめてなされましたので、あとに貼り付けます。
【質問2】インターネットなどでの紹介について
こども食堂の利用希望者は、食事や交流のために一か所だけでなく、様々なこども食堂に行く方々もいます。こども食堂によっては月に数回、曜日限定など、運営するグループの状況で回数が少ないため、他の食堂にも通いたいという方もいます。
東京23区でこども食堂の支援に力を入れている区では、情報を担当課のウェブサイトに掲載している区や社会福祉協議会の特設サイトで、詳細を紹介している区もあります。
例えば、渋谷区のこどもテーブル、板橋区のいたばし子どもの居場所、品川区のしながわ子ども食堂ネットワーク、杉並区の杉並子ども食堂ネットワークなど、ネットワークを作り、工夫を凝らして活動を紹介しています。グーグルマップを設定しているものや、チラシを公開し、団体の紹介と地図をダウンロードすることができる区も多くあります。
現在新宿区は、社会福祉協議会のサイトで各団体のサイトのリンクを紹介し、子ども未来基金のサイトで、助成を受けた団体のみ、子ども未来基金助成活動案内リーフレットとして紹介しています。これだけでは一覧性がなくわかりにくく、民間企業の取り組みも見つけにくい状況です。サイト、地図の紹介、チラシの充実など子ども支援の情報を統合した形で案内することが重要だと考えますが、区の対応についてのお考えをお聞かせください。
★コメント★
今回質問するにあたり、区の情報が分かりにくいという声をいただき、23区の状況を調べました。
区または社会福祉協議会で、こども食堂について紹介をしている区は、23区中、16区。チラシをダウンロードできるようにしている区は、23区中、10区。新宿区は、社会福祉協議会のサイトでリンクを上げていますが、渋谷区や板橋区などのように、もう少し詳しい情報があればいいなと思っています。また、区のサイトからの紹介もありません。
この点については、改善を検討していただけることになりました。
【質問3】子ども未来基金の有効活用を
次に、こども食堂の運営者への支援について質問です。
区では様々な物価高騰支援策を予定していますが、やはり子ども食堂の運営も厳しいものがあります。子ども未来基金の活用がありますが、例えば現在募集中の2次募集での助成金上限額は、1)支援を必要とする子どもと子育て家庭を継続的に支える活動として50万円、2)子どもの健やかな成長を支える活動、子育て家庭の福祉の向上を図り、子どもたちの生きる力を育むことに寄与する活動として18万円となっています。上限額の全体的な引き上げが必要ではないでしょうか。
これまでの子ども未来基金の累計寄付金額は約3億円のところ、区内の団体数・活動数が急増することは考えにくく、何年も使い切ることのない額になります。寄付者の善意は、今まさに支援を必要とする子どもたちのためであって、上限引き上げは趣旨に合致するものではないでしょうか。助成率は拡充され、1年目は10分の10、2年目は10分の8、3年目は10分の6となりました。利用者数による活動費加算も設けられました。しかし、助成率を設けることで、基盤にのった活動の勢いを止めてしまうこともあります。助成率の撤廃、また特に3年目の割合を再検討することについての見解をお示しください。
★コメント★
子ども未来基金は、現在も寄付が集まってきています。区内で活動する団体・グループの活動内容は、その地域での支援という小規模な場合は、高額な事業は運営が難しいこともあります。子ども未来基金の助成自体を、変更しなければ(変更には条例の改正が必要)、何年たっても使い切れない額になってしまいます。
中には、事業を拡大したいというところ、これから新しく始めたいというところもあり、使い道について今後よく検討していく必要があります。
【質問4】地域コンサルティング事業の展開について
さらに、地域支援としてコンサルティング事業が行われています。組織基盤強化のために必要なことは、伴走支援などきめ細やかな支援です。コンサルティング事業が目指す支援策、利用状況と支援事業の今後の展開について区のお考えをお聞かせください。
★コメント★
コンサルティング事業は伴走支援をする事業だそうですが、区民の声としてよくわからない、相談するのに資料がたくさん必要なのは負担、というものがありました。事業がどのように展開されるのかなど、説明していただくことで関心をもってもらうことができるかと思います。
答弁について
劇的な進展はありませんでしたが、細かい点でインターネットによる情報提供の工夫などが期待できます。
コロナの影響で活動をストップしてしまった団体・グループもあり、この数年間の変化がこどもたちや関わる大人たちにとっても、厳しい状況でした。活動再開をしても、パントリー事業のみ、弁当提供のみなど活動形態を変更している所もあり、情報集約をしてもアップデートを次々とする必要があることもわかりました。担当課のみなさんの努力も伺うことができました。今後も、こども食堂を応援していきます!
【答弁要旨】
山口議員のご質問にお答えします。
こども食堂についてのお尋ねです。
はじめに、こども食堂の意義と今後の支援策、インターネットサイト等による周知及び助成上限額の引き上げと助成率の再検討についてです。
区では、子どもの育ちや子育てを支えあえる地域社会づくりに向け、様々な団体に子ども未来基金を活用した活動助成を行っており、この観点から、子ども食堂活動に助成しています。
助成対象となっている子ども食堂活動の目的や対象は、主に生活困窮家庭を対象としているもの、地域交流を主眼としているもの、地域の事業者が社会貢献の一環として実施しているものなど、一様ではありませんが、地域社会を構成する様々な主体がそれぞれの立場から子どもと子育て家庭を支える意義深い取組であると認識しています。
子ども未来基金の活動助成は、今年度から、活動の規模や頻度によって加算助成する仕組みを導入しており、6つの子ども食堂活動が加算対象となっています。また、助成率については、助成活動を行う団体が自主的に安定した活動を展開し、活動が地域に根差していくことを目指しているため、段階的な助成率を設けていますが、物価高騰の中、今年度から引き上げたところです。こうしたことから、現時点では、助成上限額の引き上げや助成率のさらなる変更は考えておりません。
子ども食堂 活動を含む、子ども未来基金の助成活動の紹介リーフレットを区の施設等で配布するほか、区ホームページにも掲載していますが、新宿区社会福祉協議会のホームページへのリンクなど、インターネットを活用した周知の工夫を検討してまいります。
今後の支援策については、引き続き、助成活動を行う団体との情報交換等の中から課題を把握し、必要に応じて様々な対策を行ってまいります。
次に、コンサルティング事業が目指す支援策、利用状況及び今後の展開についてです。
区では、子ども未来基金を活用し、区内で子どもの育ちや子育てを支援している地域団体や新たに活動を始めることを検討している個人等に対し、資金・人材・PR・会計の課題に対してコンサルタントからの助言を受けられる事業を昨年7月から開始しました。現在までに、延べ4団体と個人おひとりに活用いただいています。
事業を活用した方からは、「組織の現状を客観的に考えることができ、問題点を洗い出せた」、「長年、なんとなく団体を運営してきたが、団体としての基本的な指針を明確にすることの大切さを教わった」といった感想をいただいています。
支援したいという想いを具体的な活動や組織として形づくり、また継続・拡大していくために、その想いが他者に伝わり共感を得ていけるよう、当該団体や個人の状況に応じた助言を、今後も行ってまいります。