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学校給食の無償化の意味

日本で学校給食がはじまったのは、1889年に山形で生活に苦しい子どもたちへ無償で昼食を提供したのがはじまりだそうです。その後、戦後の状況で栄養不良の子どもたちのために提供され、現在は食育の観点から実施されています。
家庭によっては、親が仕事で忙しくいつも朝は菓子パンを食べている、夜もコンビニでお弁当を買うというような子もいます。経済的に苦しく、同じような食材が続くこともあります。しかし、育ち盛りの子どもたちにとって、これでは栄養も偏ってしまいます。

食育の観点からは、その地域で伝統的に食べられている食材や料理を味わうことも大事です。例えば多文化の中で育つ子どもの場合は、日本食は学校で食べるものという子もいます。箸の持ち方だけでなく、食べ方、偏食をなくす機会にも。
最近では、オーガニック食材を導入しているところもあります。

給食費の全国平均は、小学生で1カ月約4300円、中学生は5000円ほど。子どもが一人であればたいした金額ではない、と考える方も多いかもしれません。
学校給食は、学校給食法という法律で保護者がその支払い義務を負うとされており(法第11条2項)、この定めによって給食費の請求がなされています。
給食費を支払うことが難しい家庭には、就学援助制度、教育扶助といった制度によって支援策がとられています。
しかし、この制度自体を知らず支払いができない、または急な事情により支払いが困難になることや支払いを拒む親もいて、未払いとなった場合、学校の先生が請求をすることも多く、ただでさえ事務作業に追われる先生にとって大きな負担になっています。
また、地域によっては、PTAが徴収しているところも。なぜ給食費の支払いが難しいかなど、経済状況が知れ渡ってしまうのはプライバシーの問題もあります。弁護士が請求事務を行っている自治体もあります。

給食費がそもそも無償となるのであれば、栄養面の心配だけでなく、支払いに関する状況も改善します。
東京23区では、葛飾区がはじめに無償化の議論をすすめ、今年4月から区立の小中学校で無償化をスタートします。そのための予算は約14億円。この葛飾区の取り組みが他の自治体へ影響を与えました。
北区・品川区でも区立の小中校で無償化を4月からはじめます。予算は約11億円。
世田谷区は区立の小中学校において23年度の無償化を実施予定で、予算は約26億円。少子化対策としての観点だそうです。
荒川区では、区立の小中学校だけでなく、幼稚園でも弁当の提供を行うとのこと。7億5千万円と2500万円の予算となります。
中央区は、区立の小中学校だけでなく、保育所、子ども園も無償化の対象として、予算は5億2千万円と1億1200万円です。
こうした議論が活発になされる中で、一番初めに実質無償化にしたのは台東区です。保護者に請求しないという形で1月からすでに実施し、補正予算で対応しているとのこと。

新宿区は残念ながら、今はその必要がないという判断だそうですが、新宿区では約6億円で実施可能になります。無償化をはじめて、安心・安全な給食を子どもたちに楽しんでほしいと思います。


3月の予定

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