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【詩】助手席

 緑地の道路にBMW、
 曇天の下でエンジンが吠える。
 モノクロームの空を舞う、
 蝶々の虚像を置いていった。

 助手席に座る私は、
 窓の外を眺めた。
 カーキ色の葉が哀しむ姿は、
 スピード感と共に過ぎていく。

 点々と建つ家々は、
 人の気配を感じさせない。
 生活はある筈だけど、
 見えない壁で確認出来ない。

 「私は何処に向かうのだろう」
 私は静かに呟いた。
 タイヤの回転する音に、
 運命の輪を投影させた。

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