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【詩】人間という檻

 人間は「人間」という檻に囚われている。
 望んでもいないのに生命を与えられ、名前を付けられ、赤の他人に育てられながら人間となる。
 私は、それに違和感を感じた。

 それから数年も経つ。

 私は私を望んでいなかった。
 「私」という檻に囚われ、苦しい思いをしながら生命を擦り減らしている。
 こういうパーソナリティに誰がしたのだ、と時偶に思うのである。

 私は望んでしまっているのだ。
「人間」という檻への開放を。開放の先にある「快楽」を。

 夢を見ているのは解る。
 若年の我儘に過ぎないのだ。

 だけど、私は望む。
 誰か開放の為の鍵を私に渡してくれないか、と。

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