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【詩】ある日の追想

 縁側に座って日に当たり、
 柔軟剤の香りを懐かしむ。
 庭先で干された梅干しは、
 深い皺を刻んでいる。
 情けない鳩の鳴き声が聞こえて、
 ここが郊外だと再確認する。

 庭先に置かれた椅子は、
 老いた男の特等席だった。
 彼は毎晩のウヰスキーと、
 孫の笑顔が好きだった。

 ……けど、もういない。

 陽射しの弱い午後、
 青年は縁側に座る。
 ある日の追想をしながら、
 飾られたウヰスキーの瓶を眺めていた。

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