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【ホテル運営会社×台湾人】春節に向けたインバウンド施策について

今回は、下記の概要のインバウンド施策についてご紹介します。
こちらの提案事例は結構あるあるな感じなので、該当の皆さんも是非参考にしてみてください。


業種:ホテル運営会社(ビジネスホテル)
ターゲット国:台湾
ターゲット層:ファミリー層
目的:知名度・認知獲得
時期:春節(1月後半-2月中旬)



台湾人のインバウンド状況

提案を始める前に、下記の必要情報の確認から始めてください。
台湾人のインバウンド状況は別ページにまとめてますのでこちらからご覧ください。

台湾人のホテル利用について

利用した宿泊施設

訪日回数を重ねてもホテルの宿泊利用が多く、旅館などは時期によって利用率が増加する気がします。(秋冬や桜の季節です)

訪問地タイプの構成比と訪問先

訪問回数を重ねても三大都市圏のみの訪問率は変わらず。
台湾人はSNSで話題の地方スポットを開拓する事が好きな人が多い反面、都市部で過ごす人も一定数いるんですね。
また、訪日リピーターのうち、地方を訪問した人の約3割が「団体ツアー参加」しています。

平均宿泊数

訪日回数が増えるごとに宿泊日数が増加していく傾向にあります。
また、同じホテルに宿泊する日数は大体2.04泊くらいです。

誰と日本に来るのか

訪日回数が増えるごとに夫婦・パートナーとの来日が増えています。
最も多いのは家族・親族で大体2-5名ほどが平均のようです。

参照:観光庁 観光戦略課 観光統計調査室

施策前の重要ポイント

施策の話に入る前に個人的に重要なのが下記の4点です。
代理店等に相談をする際にこの辺を整理されていない方が多いの所感です。相談先の代理店からも提示を求められるので時間短縮の為にもしっかりと把握しておいてください。
(逆に聞いてこないとどうして?ってなります)
1,自社のホテルブランドの知名度・認知度がどのくらいあるのか
2,ターゲット層の設定
3,施策の目的(認知向上なのか予約獲得なのか)

4,ご予算感・スケジュール

1,自社のホテルブランドの知名度・認知度がどのくらいあるのか

台湾の人達に自社のホテルはどのくらい知名度・認知度があるのか、を把握することからスタートです。
日本では有名なホテル名でも台湾人には知られていない場合が多いいです。
知名度・認知度が高い低いとどうなるのかを下記にまとめました。


知名度・認知度が高い:指名でのホテル予約や候補リストに入りやすい。広告施策も相乗効果を発揮しやすい。
知名度・認知度が高い:価格競争での勝負や広告を打った所で取り逃してしまう顧客が増える。


代理店に施策を依頼する際に、簡易的にでも調査をしてもらうのがいいですね。
因みに、無料で調査をしたのが↧の図です。
Google検索ボリュームを対象国&言語で調査し、口コミサイトで書かれている内容を整理しています。
これだけでも多くの事がわかります。

Google検索ボリューム、agoda口コミ

2,ターゲット層の設定

自社ホテルの顧客層を把握できてますか?
どの層を狙うのかで施策の内容も変わってきます。
例えば、
ファミリー層:”お子さん連れならお得に宿泊駅から近いのでお子さん連れも安心等が訴求内容として考えられます。
カップル層:”ロマンティックな雰囲気でのディナー夜景が見える部屋ですかね。
また、全てのお客様に口コミ投稿への促進も実施しましょう。
”口コミ投稿で●●プレゼント等はステレスマーケティングになる可能性があるので、お声がけ程度に留めたほうが良いです。”
SNSアカウントがあればお得な情報をお届けしますとフォローを促しましょう。
SNSアカウントのフォローを獲得できればCRMに活用できるので積極的に!

3,施策の目的(”認知”か”予約促進”)

目的によって実施するべき施策内容は勿論変わります。
認知:第三者目線からのおススメを広告として配信します。
こちらは今回の提案事例内容になるので後程ご説明します。
予約促進:基本的にはリスティング広告やSNSでのターゲティング施策が効率良く獲得できます。
日本行きのチケットを購入したユーザーをセグメント配信できるメニューもあるので絶好のタイミングを逃さずにアプローチできます。
ただ、先述した知名度・認知度の度合いによってはかなり厳しい結果になる可能性が高いです。
またOTA(旅行会社)の広告投下量は凄いです。ターゲティングが被らないように工夫が必要なので、代理店からの提案ではこの辺をよく議論してください。

4,ご予算感・スケジュール

予算は初めから把握するのは難しいと思いますので、予めインバウンド施策の各項目の予算感を調べておくと良いです。
一応当記事にも参考金額を記載しておきます。
スケジュールについては、台湾の方がどの時期に訪日需要が伸びるのかを把握して(こちらから確認)決めるのも良いですが、逆にホテルの閑散期に訪日客を取込むという考え方もアリかもしれません。

施策概要(やっと)

前置きが長くなってしまい申し訳ないです。ただどれも重要な事なのでちゃんと読んでくださいね!
それでは、冒頭にあった今回の提案事例をご紹介していきます。
要件は下記の通りです。※冒頭からの再掲


業種:ホテル運営会社(ビジネスホテル)
ターゲット国:台湾
ターゲット層:ファミリー層
目的:知名度・認知獲得
時期:春節(1月後半-2月中旬)


今回は台湾人のファミリーをターゲットにしたお客様への提案事例です。
OTAに掲載しても予約獲得では料金競争を余儀なくされ粗利が少ないという事でご相談をいただきました。
まずはどのくらいの知名度があるのかを簡易調査をした所、台湾人にはほとんど知られていない事がわかりました。
そこで目的を知名度・認知度の獲得に設定しました。
ご提案したのは下記の図の内容になります。

下記図の旅マエ期間の通り、ターゲット時期の2-3ヵ月前には展開できるスケジュールでご提案しました。

①HPの多言語化

まず、自社サイトの多言語化をしていなのはお話になりません。
せっかく施策を行ってもサイトの受け入れ態勢が整ってないのではただお金を垂れ流しているだけになってしまいます。

直近では多言語対応をしているサイトが増えてきています。
予算の問題もあると思いますが、長い目で考えるとターゲット国だけでも専用のページ(1ページだけでも)を作成する事をおすすめしています。デザインやUIも自国特有のものがありますし、日本人の求めているモノと台湾人の求めているモノは結構違います。
今回はファミリー層向けのコンテンツとして、お子さん向けの食事の用意やファミリー向けのお部屋の様子を1ページ作成してます。

予算感:内容によってかなり変動します。
    1ページ10万~50万ほどかな。。

②旅行系口コミサイト強化

こちらは、代理店に依頼するのでも自社で対応するのでもいいと思います。
ホテルのカウンターやお部屋などに口コミをお願いするPOPやチラシを配置したり、口コミがあれば丁寧にお礼を返してあげましょう。
因みに、日本人はあまり口コミを投稿しない人種ですが他国は結構投稿してくれたりします。

LINEトラベルは台湾のみ展開しているLINEの公式旅行系アカウントです。
台湾人の95.7%が利用しているLINEなので台湾人ほぼすべての方にアプローチができる神媒体です。
LINEトラベルの概要は下記の図の通りですが、台湾人の3分の1の方がフォローをしており、かつ旅行に興味がある方です。
また、特徴の1つとして国内外のOTAと連携しているのでスポット検索から予約、支払までできるので離脱が少なくポイント付与等からも利用者が多くいます。

LINEトラベルの活用方法としては、訪⽇リピーターである台湾⼈向けにホテルの魅⼒発信するタイアップ記事をご提案。
今回の提案では、ファミリー向けのお得な宿泊パッケージを訴求する内容で記事を作成しています。

他にもコンテンツ内容はホテルの魅力や周りの観光地・ショッピング・グルメ情報を発信することで、目的地エリアへ訪れるユーザーへのアプローチもできます。
KPIの設定
①平均PV:代理店からの提案数値だけでなく他社事例の数値を確認することで目標数値を置くことができます。
②記事から自社サイトへの流入数:知名度から認知度への測定としては、サイトへ流入してくれた事で図ります。サイトへの流入後はGAでの計測でLINEトラベルがどのくらいユーザーとの親和性が高かったかを把握しましょう。

予算感:OTAの口コミ対応は代理店依頼で数万単位
    LINEトラベルは100万~

③第三者からの口コミ強化

台湾でも有名なインフルエンサー(KOL)をアサインし記事を執筆してもらいましょう。
フォロワーの数だけ拡散も見込めるので、興味関心層へアプローチが可能です。
代理店からのインフルエンサーの提案の際、面倒ですが該当のアカウントをしっかりみておきましょう。
今回提案したのは、ミドルクラスのママさんインフルエンサーを10名。
お子さんと実際に宿泊に来てもらい、その様子を記事にしてもらいました。

フォロワー数が多くいるインフルエンサーをアサインすることも良いですが、その分金額が上がってしまうのともしも記事の反応が悪かったら撃沈です。
リスク分散と、できるだけ1人あたりの情報との接触点を増やすことを考えてます。

見るべきポイントは
①フォロワーの属性:フォロワー数で金額が設定されているのですが、中には空アカ(フォロワーを増やすためにお金で買ったフォロワー)がたっくさんいる事があります。
②執筆内容:どんな投稿をしていてフォロワーからの反応があるのか。
③他社事例:PR経験が豊富なほど扱いが楽です笑 基本的にインフルエンサーには記事内容を細かく指示することはできないのですが、わかっている方なら指示しなくても色々と対応してくれます。

KPIの設定
こちらはLINEトラベルと同じ考え方で大丈夫かと。

予算感:インフルエンサーで金額変動あり。
    数万~数百万くらいの差があるのです。

④リピーターのための受け皿

こちらはできれば実施した方がいいいです。
サイト言語化の次に対応すべきです。
なぜなら、アカウント開設は無料でできかつ直接お客様へコミュニケーションが取れるからです。
最初は何を投稿すればいいのかわからなかったりフォロワーが増えなくて落ち込みすぎることもありますが、できる限り頑張ってください。
SNSなのでフランクに下記のような内容をコンテンツとして考えてみてください。※写真、動画は映え感を大切に。
・人気観光地の近くにある店舗案内
・部屋やホテルから見える夜景や景色
・お部屋の中の紹介
・朝食やディナーの紹介
・スタッフ紹介
・お得な情報

予算感:アカウント開設から運用までで50万~/月
    こちらも内容で金額変動

以上になります。
始めての執筆なので至らない点あるかと思いますが、皆さんの参考になれば嬉しいです。

最後に

※この記事の内容は個人の意見/感想であり、すべての効果を約束できません。1つの参考情報としてお受け取りください。
※23年10月時点の数値になります。都度更新していきますが情報が古い場合がございます。予めご了承ください。
※複数のデータから作成しています。見にくい部分がありますが許してください。
※間違った情報や不明点あればお気軽にお問合せ下さい。

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