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健康寿命とは?

 最近、「日本人の認知症患者の割合は1,000人あたり23.3人とOECD加盟国中では最も多く、先進国の平均は14.8人」というオンライン記事を読みました。過去にも発表されていたのかも知れませんが、私にはまったく覚えがなく、今回初耳でした。

 記事の中で、こんな分析も見つけました。 >>>日本では地震や洪水も多く、逃げ場のない島国なので、人間関係で失敗すると生きていけなかった。そのため、外界や他人に対して『戦闘態勢』をとりやすい遺伝子を持つ人が増えた。

 確かに、災害が多ければ助け合い、仲良く人生を過ごそうと気を使い、非言語的な手段を含めてコミュニケーション上のあらゆる工夫をする。それはそれで、日本人の私にはとてもよく理解できることです。ただ海外には、経済問題、民族問題、領土問題、もちろん自然災害も含めた様々な理由で、常に何かと「闘っている」人々は決して珍しくないでしょう。ましてや、島(島国)に住む方々がすべて、認知症のリスクが増える訳ではないのは言うまでもありません。

 私は日本語レッスンの中で、中級以上の生徒と色々なニュースの意見交換をしています。ある日、この認知症の記事を読んだある生徒がこう言いました。 >>このニュースは初めて知ったが、私はとてもよく理解できる。日本人は、至る所に正確さ、清潔さ、細やかさ、そして謙虚さなどを求める。自身にだけ厳しいのではなく、相手や周りに対してもそれを大いに期待し、要求する。これでは脳や心臓を含め、身体に大きなダメージを与えるのは当然だ。ストレスやプレッシャーも世界ナンバーワン、これで病まないはずはないとのこと。

 この方はもちろん日本人を気遣って意見を述べてくれたのですが、記事にすらなかった明解な分析に感心してしまいました。先ほどの『戦闘態勢』の話で言うならば、それは遺伝子レベルで組み込まれているのでしょうが、この生徒が感じ取った日本人のストレスやプレッシャーは、このわずか数十年に広まったものです。もしかしたらこんな負の遺産まで、私たちは後輩たち、子孫たちに残しているのでしょうか。

 細かいことを気にせず楽しく生きるため、体や心にダメージを与え合わないため、そして何よりストレスやプレッシャーを溜めないため、私たちは「リラックスするための努力」をし続けているのかも知れません。だからこそ、私たちは一応(?)長生きはするのでしょうか。やれやれ・・・

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