【結果報告】ニヶ月の禁酒生活
1/16に始めた禁酒生活は、3/23の今日で67日目となる。
67と聞くと小さな数字に思えるが、おもしろい発見をたくさんすることができた。
小さな健康志向と大きな好奇心から始めた禁酒だったが、好奇心が満たされたのはもちろんのこと、とても幸福度が増した。
禁酒生活をはじめた理由、禁酒実績、幸福度との関係、今後も禁酒を続けるかどうかについて記録する。
禁酒をはじめた理由
冒頭にも述べたが、たいそうな理由はない。
「健康」を今年の抱負として続行することを決めた時、禁酒という手がまだ残っていたと思いついた。
今までやったことがなく(新規性)、
そんなに大変そうでもない(実現可能性)の2軸でバチっと心を掴んだので始めてみた。
実際に実行ハードルはとても低かった。
なぜなら、もともと「肉を食べない」を数年に渡り実践して身体的な変化や社会との関わり方の変化を感じたことがあったから。
得られる発見と容易さの確信度が高かったのである。
禁酒生活の実績
実際に69日も完全に断酒したのか?初っ端から告白するが、実は二ヶ月完全に絶ったわけではない。
だが、お酒と真剣に対峙し、自分の価値観を再確認するプロセスを通じて、どんな基準で呑むか呑まないかということを明確化したので、とても貴重な気づきができた。
完全禁酒の33日
連続禁酒記録「33日」
とはいえ、禁酒開始の時はスタートということもありがんばった。
記録を伸ばすことを目標に、Twitterで報告することで、自分を追い込んだりしていた時期でもある。
忘れっぽい自分は新たな習慣をつけるのは難しいが、吞むことを忘れればいいから、習慣化するのはそう難しくないと気付いたようだ。
たががはずれた34、35日目
34日目にとある事業準備のために富山に行き、堪えきれずにお酒を呑んだ。
格別だった。
たまたま親も富山にいたので合流して一緒にお寿司を食べに行った。
「呑まない〜?つまんないなあ」という煽りと、ご当地の貴重な日本酒に勝てなかった。
これを機に、禁酒生活の基準に変化が訪れた。
単に一切お酒を飲まないのではなく、経験との天秤にかけたうえで呑むかどうか判断する。という基準が加えられた。
自分で言うのもなんだが、奥深いお酒の世界を卒業するには、若すぎると思うからだ。
翌日の35日目の、引き続き富山にいた。
一緒に事業をしようとするパートナーとの交流を兼ねた飲み会があり、その前にパートナー組織がオープンしたブルワリーを見せてくれた。この日がプレオープン初日ということで、ビールを飲まないわけにはいかない。
美味しかった。
そのあと宴会会場で呑み放題の席が用意されていた。
年齢も出身もこれまでの生き方も違うパートナーの方々と話す緊張感をほぐすためには、お酒の力を借りないのは無理だった。
呑みますというだけで、相手の解放感が高まったことを感じた。
ここで一つ基準を設けることにした。
性質上仲良くなりにくい人と、仲良くなれなければならない場面でお酒の力を借りるのはOK。
性質上仲良くなりにくいというのは、初対面や仕事上の関係、など気心の知れた友達とは違う関係性のこと。
異国の48日目、失敗の59日目
「経験をするに値するならOK」という基準を応用した日である。
ピスコサワーを飲んだことがなかったので、これは値すると判断して呑んだ。
飲みやすくて好きな味だった。
ピスコサワーの48日目から11日後、佐渡に行った。
佐渡に戻ったら禁酒できないだろうなあと思っていたら、佐渡國入国初日(59日目)で解禁となった。
最初は「禁酒してるんで…」って気張っていた。
が、移住友達の送別会にて門出を祝いたいということと、金鶴(佐渡の日本酒の銘柄)を呑まずして世界に行くことはできない!と思い、日本酒を呑んだ。
これを禁酒生活の基準にすることは難しかった。佐渡で禁酒は失敗する、という教訓を得たということだろう。
(言い訳)禁酒って言える?
余談だが、禁酒というと完全に絶つってことでしょ?たまに飲むなら禁酒って言えなくない?という問いに言い訳。
基本、自分が思えば言ってよし!◎としてるので、れっきとした禁酒である。
加えて、質的にも、我慢した感があることや回数やシチュエーションを覚えているということが自分には大きな変化である。ので、やはり禁酒生活といえる。
禁酒の効果
このようなちょっと緩めな基準で禁酒生活をしていたわけだが、それでもたくさんの効用と発見があった。
健康への効果
まず第一に、身体への影響について。
正直、肉食をやめた時ほど大きな変化はなかった。
お酒を飲まない影響はあり、それらを継続したことで感じられる変化というのはまだ感じられていない。
お酒を飲まない効用は、寝起きや寝入りが良いとか、寝起きに胃がもやもやする感じがないとか、睡眠の質が高いとかそんな感じ。
睡眠への影響くらいしかないが、その二次的効果で生活がし易くなった。
酔っぱらいが翌日にもひびいて遅刻したり、ドタキャンしたり、そういうのがなくなった。予定をきっちりこなせるようになったので、周囲との関係性の構築にプラスだし、それにより自己肯定感も高まる。
自己肯定感の高まりはもはや三次的効果で、精神にプラスに影響を与えているが、一次的効果としての精神変化はもっと絶大である。
精神への効果
人と過ごす時間が幸せになったのである。
これまで飲み会や食事が始まると若干緊張感があって、そわそわする感じを解消するためにお酒を飲んでいたこともあった。
その時間はとても楽しいものになるけど、お酒の効用で楽しくなっているのかと思っていた。
だが、ちょっとしたそわそわがあってもお酒に頼るのをやめたら、それでもちゃんと楽しめることがわかった。人といるから楽しいんだ!と、自覚することができたのである。
これまでもお酒に頼っていたつもりはないけど、無意識に頼ることもあったと認識し、いまはお酒がなくても人と楽しく話せるという自信になった。これこそが禁酒の大きな効用であり、お酒から自立したと思えた瞬間である。
禁酒のしんどさ
効用とは逆に、禁酒のしんどいことについて。
食事の仕方が変わることは、しんどいことのひとつだ。
最初はお酒を飲みたいのでスーパーのお酒コーナーやつまみコーナーでいいなぁと思ってしまうので、見ないようにしていた。
ごはんを食べるときも、ビールを合わせたらおいしいなとか、ワインが合うだろうなぁと思いをはせることもたびたびあった。
今でも、あの時飲めばよかったと思うことがある。ブルガリア料理のレストランに行ったときのことだ。
牛肉などの肉料理が多くて、ごはんだけでもおいしいのは間違いないのだが、きっとお酒と合わせると別の味わいが広がっている気がした。
ブルガリア料理は日本でもなかなかないし、そう何度もいくお店でもないので、ちょっと後悔である。
だんだんと(2か月目くらいから)、お酒のことを考えることがなくなった。多分、お酒を忘れたので鮮明に思い出すのが難しくなってきたのだと思う。そうなるとずいぶん楽である。
おつまみコーナーにいってももうそそられない。
お酒のイベントにいけないことも、小さなことだがしんどい。
日本酒祭りやワインパーティなど、パーティをしたいというよりはお酒を楽しみに来た人たちと素敵な時間を過ごせたりする。
もちろんほろ酔いの気分の良さはあるが、おいしいものを味わう機会として素敵な時間なのだ。
こういう会にいく飲み仲間との交流の時間が減ったことも残念なことだ。
今回は期間が短かったのでこうしたイベントは行かなかったが、長期的にするとなるとこのようなイベントをよしとするかは悩ましい。経験としてはすでにしているし、社交だけではいまいち理由として弱い・・・
禁酒するコツ
自分の意志とは別に呑むということは、佐渡にいるときくらいだったが、コツを挙げてみる。
1.食事の予定を立てるとき(特に夜)は、事前に禁酒をしていることを伝える
お酒にこだわっている店でなくてもよいので、お店選びの段階で伝えていた。そうすると、お酒好きのための店になることが減る。
さらに、会が始まると「禁酒してるんだっけ?」と相手のほうから話を切り出してくれるので、「呑もうかな…」という小さな悪魔がしぼむのである。
2.飲みたいときほど周りに言ってみる(リスクはあるけど)
禁酒を応援してくれる仲間が多いことを知った。素敵な仲間がいる場合、葛藤していることを打ち明けることで、禁酒を後押ししてくれる。
わかりやすいエピソードがある。
シーシャバーに行ったとき、とても素敵なカクテルがメニューにあった。呑みたい好奇心があるが禁酒しているので葛藤していると伝えると、禁酒の期間や飲みたい度合を聞いたうえで「やめたほうがいい」と、頼もうとしたのを止めてくれた。
こういう友達を大切にしたいと思った。
3.お店選びを慎重に
お店に入った時点で呑まないでいられるかは大方決まったようなものである。誘惑が強ければ、それに打ち勝つのはとても難しいから。
ここで言えるのは、バーにいってはいけない、というしょうもないTIPSである。
1月16日が禁酒開始日になったのには実は理由があって、もう少し早く禁酒をする予定だったのだが、その前日に飲酒してしまったから。
飲み会のあとの二次会に、いつもの流れでバーに行ってしまったのである。ソフトドリンクがあると思ったのだが、お酒しか置いておらず呑まざるをえなくなった。
禁酒しているとバーにもいけないのか、、と当然のようなことに気づいた。
4.飲まない勢とつるむ
いくらお酒のそろいが良いお店でも、一緒にいるひとがお酒を飲まないのであれば、自分もお茶にしようという気がわく。
ソフドリ仲間と行けばいい。
もし飲み系とごはんにいくなら、ランチにすればお酒の流れを回避することができる。
さいごに
今後禁酒を続けていくのか、ということに関してはYESである。
ただし日本にいるときに限る。
このあと世界一周にいってからは、経験するに値するならという基準に適合して飲酒する機会が増えると想像できる。
ただし「酒は呑んでも呑まれるな」は実行し続けたいので、自分なりに基準を見つけて闇雲に呑んだり、逃げのために呑むことはしないでおく。もしどうしても逃げたくなって飲みたくなったときは、それを自覚したうえで、自分は弱いとかみしめてお酒の力を借りたいと思う。
ボンボヤージュ
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