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我が家の嫁姑問題

わたしは今、妻と妻の母(義母)と暮らしている。

今から10年前に義母が義父からのDVに耐えかねて、徒歩3分の地点に

ある次女(わたしの妻)の暮らす我が家に逃げてきた。

義母70歳の時である。

もちろんそれまでにも義母には子育てや食事の部分でも、共働き夫婦は

お世話になっていたので、「これからは一緒に暮らそう」ということで

同居する運びになった。

それから数年の間、義母は義父との離婚調停やら何やらでモノモノしい

日々を送っていた。

義母は「出来ることはやるから」と言って、食事の準備や後片付けなどをか

って出た。

自然、妻はそれ以外の家事を担当した。

それから数年は、何の波風もなく平穏な日々が続いた。

しかし数年前からお互いに暗雲が漂ってきた。

何が原因というわけでもなさそうなのだが、互いに機嫌の悪い日が続く

ことがある。

妻は思ったことを言う

指示をする

義母は妻の命令を無視する。

険悪である。


10年前のある日に妻が私に「お母さんと一緒に暮らしてもいい?」

と、しおらしく聞いていた姿を思い出す。

よく世間では「嫁姑問題」というが、実際に同居するのが、妻の母ではなく

私の母だったらどうだろうかと考えることもある。

局面はもっと難しいかもしれないが、ただ一定の遠慮のようなものはそこに

は存在しているようにも思える。

実の親子に娘の夫が付いているので、なかなか難しい。

妻には私の振舞いはおばあちゃんに対して遠慮があるように見えるらしい。

私がお義母さんの料理を「おいしい」といって褒めると、あまり面白くない

らしい。

妻の担当の掃除や洗濯も同じように褒めないと不公平なんだそうだ。

私が夕食を終えた後、自分の食べた皿を一応洗おうとすると、すかさず

お義母さんが飛んできて「そんなんしなくていいから」

といって、私の手から皿をもぎ取る。

私は毎回「すみません」という。

これを観た妻も毎回「小芝居はやめて

懲りずに言う。

お義母さんは、素知らぬ顔で妻を無視する。

こういう日々を送っている。

しかし、先日、お母さんと、たまたまスーパーに買い物に行くと

「あの子が好きだから」

といって、妻の大好物のバッテラを買い物かごに入れている。

たまたま今日、妻と買い物に行ったら

「お母さんの大好物」

といって、大福餅を買い物かごに入れている。

本来であれば、微笑ましい場面ではあるが、前段階からのことを考えると

何とも複雑な関係である。

こういう場面に遭遇すると、私はなにか猫騙しにあっているように

感じてしまう。



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