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あなたは軽自動車購入に400万円かけられますか?(葬式の話)

50歳から始めた葬式屋、今年で3年になるが何の知識もなく、準備もなく、設備もスタッフも持たずに始めたが、「好きな仕事」は何とかなるもの。出入り業者の人たちにも手取り足取り教えていただきながら、少しは形になってきたかと思う。
一生懸命やっていると、物事の呑み込みも早くなる。
自分がどの程度なのか?お客さんはどう考えているのか?毎日考えながら生活していると、ちょっとしたお客さんの言動一つでもいろんなことがわかってくる・・・

前もって準備するのは縁起が悪い

普段、節約家の人でもことお葬式になると、「前もって準備するのは・・」とためらうものらしい。
結果、病院で身内が亡くなった場合などは、病院常駐の出入り葬儀屋や同席の親戚などから教えてもらった近隣の老舗葬儀屋に頼んでしまい、「数百万円のお葬式になってしまった」「痛かった」と嘆く人が多い。
 まだ嘆くだけならばいいが、その際にカードローンで借金してまで・・・という人までいる。
きっと故人様もそんなことは望んでいないはず・・・

対策はただ一つ

そうならないための対策はただ一つ、「事前に葬儀社を決めておく」ことです。
できれば、葬儀屋に直接出向いて見積もりや資料を入手するのと同時に式場の確認や、担当者の感じまでチェックしておくといいでしょう。
「今すぐにどうの」という人がいない場合には、そこまでしなくともチラシやホームページなどの資料を参考にして、少なからず頭に入れ、比較対象を検討しておくことが大切。

葬式の全国平均は120万円

 私の知り合いでそんな高齢でもないのに人生ですでに「3回喪主を務めた」という人がいる。
 彼はもう葬式のことをほゞ頭に入れている。
「いるものといらないもの、この人の葬式だったら、だいたいこのくらい、あの人の葬式だったらこのくらいのことをする」と完璧に言える。
しかしこのような例は実に稀で、たいていの人は葬式のことなんて・・・
全国の葬儀費用の平均金額が120万円(料理とお布施は別)と聞いても「へえ、そんなもんか」と答えるだけだろう。
しかしこの平均には直葬といってお葬式を挙げずに火葬のみを行うものだったり、一日葬といってお通夜をしなかったり、そうした軽費なものも含めての平均なので、実際には300万円、400万円、なかには500万円を超えるお葬式も・・・・・

安ければいいというものではないが・・・

私が施工するお葬式は平均30万円代なので、全国平均に比べても4分の1くらい。まあ始めて3年の葬儀屋が立派なお葬式を手掛ける機会が少ないのは致し方ない。

 それにしてもお葬式代って高くないか?・・・

わたしは決してお葬式に「高いお金を使うのは無駄だ」「ばかげている」と言っているわけではない。

ここではなしを変えるが、自動車の購入に置き換えて考えてみる。

一千万円の高級車に乗っている人がいるとする。
 彼にお金があろうとなかろうと、その車の中身がどうであろうと、彼がその車を必要とする何らかの理由があれば、その購入に意味があるだろう。
 一方で町の億万長者が、「自動車なんかにお金をかけるのはもったいない」といって軽自動車に乗っているとしても、世間からはケチと思われるかもしれないが、彼がそれでいいならば何の問題もない。

 問題なのは、何も知らない人に400万円の軽自動車を売りつけるような業者がいたらそれは問題ではないか?
 高かろうが安かろうが、お金を出す人が理解して納得していれば問題ないが、理解していない人に不相応なものを「無理やり購入させることはいけない」と私はこの仕事をしていて思う。

同様に
「立派なお葬式を挙げてやりたい」と心から思って、数百万円の葬儀を行うのは尊い考えだと思う。
 問題は、「お金をかけられない」という人に対して、数百万円の葬儀を押し付ける業者や親戚・知人の存在だ。

「事前に準備は縁起が悪い」は絶対に昔から業者や葬儀で恩恵を被っていた人間の罠。

事前に準備は絶対に必要。

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