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春と変化の加速

4月14日78日目。

帆立稚貝漁がはじまった。朝のコンビニからおにぎりがまるっと消えて、港から吹く風には潮の薫りが漂う。澄んだ青空がつづき、冠雪の残る利尻岳と渡りのハクチョウが季節の情景を見せてくれる。雪解け水が流れる谷には新芽が息づき、エゾノリュウキンカとミズバショウの芽が顔をのぞかせる。

灰と白が大部分を占めた冬が終わり春を迎える。日ごとに彩りが増えていく風景に心が潤っていく。いつのまにかクロッカスの花が咲いて、いつのまにか閉じていた。著しく表情を変えていく、風景が変わる速さは、まるで冬の鬱憤を晴らすようにとまらない。

おなじように人の心の鬱憤も晴れていけばいいのだけれど、人の心の動きは思っているよりも恒常だ。多少の新鮮さを糧にまた同じように動いていく。

自ら動いていかなければあたらしい刺激を得ることができない、という呪縛のようなものがずっと脳裏に潜んでいるが、おなじものを毎年経験することにも価値を感じている。ままならない思考に辟易する。

今日の一枚。

たまたま散歩して、おもしろい写真が撮れたときは表現できないような嬉しさがある。

難しいことを考えてしまうときは、カメラを持って無意味に外を歩くことで心を空にする。

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