召し上がれ
7月15日34日目。
来週から少し遠出の用事がいくつか重なっている。思い返してみると200kmを超える移動(通称シャトルラン)をするのは3月中旬以来だ。その間にもいくつかお誘いがあったものの、さまざまな状況を鑑みてお断りした。
今住んでいる町ではまだ、新型ウイルスの感染者はいない。自分が第一号になってしまうと「やっぱりほらね」みたいな反応になることが手に取るようにわかったので、近距離の移動であっても、できるだけ自粛することを遵守していた。
自分だけの問題であればまったくもって良いのだけれど、同じ町には両親も住んでいる。そういうことを考えるとなかなか鈍感になれない部分があった。人口3000人に満たないちいさなまちではみんなどこかでつながっている。社会って難しい。
それはそれとして。自粛期間があったことで整理や気付きが生まれたこともたくさんある。Uターンしてからというもの、こんなに外に出なかったことは、7年間で一度もなかった。
いつもは大繁盛で、忙しい時間帯には少し無愛想になってしまうレストランメルヘンのマスターが「召し上がれ」と料理を出してくれた。
居酒屋千世本のマスターは、なんだか寂しそうで、それが気になって普段よりも頻繁に足を運んだ。
使い古された言葉だけれど、いつも気軽に利用していた好きな場所を、もっと大切にしたいという気持ちになった。
全部で117品もあるレストランメルヘンのメニュー。お店があるうちにできる限り味わい、写真に残したいということではじめたもの。いつまでもあって欲しいけれど、いつまでもあるという期待は持つことはできない。
会いたい人には会えるうちに会っておけ、という気持ちに似ているのかもしれない。
今日の一枚。
北の怪植物エゾニュウが最盛期を迎えて、海岸線の夕暮れ時はまるで、サバンナのような景色になる。サバンナに行ったことはないけれど。
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