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盲導犬パピーと向き合う 〜我が家の挑戦Ⅲ

みなさん、いつもお世話になっております!!
本日は、自己紹介でも書きました私のもう一つの軸、「犬」「パピーウォーカー」に関してです。

これまで、
○我が家の挑戦Ⅰ
パピーウォーキングを申し込んでからパピーが来るまでのプロセスを#1〜9で、
○我が家の挑戦Ⅱ
パピーが来てからの様子を#1〜#28

それぞれ投稿してきました。

今回は、【まとめ】的な感じで、今私たちがパピーウォーカーとしてパピーと向き合っていること、つまり、パピーへの働きかけ・注意していることについて整理を試みようと考えました。

というのもの、先日あるクリエーターさん(noterさん)から、
「これからパピーウォーキングをするため、今気をつけていることなどを差し支えない範囲で教えてほしい!」
と応援のコメントをいただきました!!

こうしたコメントは大変嬉しいです!
と同時に、投稿のヒントを与えていただいたことに大変感謝しています!

かなり長文となりますが、ご容赦ください。。。


パピコに対して、気をつけていること

パピコが我が家に来て、40日が経過しました!(4月15日)

・パピウォーカーを申し込んでから勉強したこと
・実際に受託して以降、北海道盲導犬協会の訓練士さんから学んできたこと

について、私たち家族の備忘録としても整理していきたいと思います!!

我が家に来た日の様子。かわいいw w w

①愛情を持って接する

きっと、ここが基本のキの字になると思います。
しつけで整理すべきかどうかわかりませんが、しつける上でのベースになるんだと思います。

体罰を与えず、ヒトと信頼関係を築きやすくするのが最大のお仕事と言っていいのではないかと思います。
「叱って強制するのではなく、褒めて正解を教えていく。」
これを大切にしていきたいと思います。

どうしても生後6ヶ月頃までは、ヤンチャ真っ盛りだそうですw
4月16日の今日現在で生後概ね3ヶ月です。
残り3ヶ月程度がヤマ場ということでしょう。

「あれはダメ、これはダメ」ではお互いのストレスを強化してしまいます。子育てと同じですね。

ちなみにパピーは、
⑴ほめる
⑵しかる
⑶マイナスを避ける(環境設定する)
⑷何もしない

といった人間からの行動(働きかけ)から学習していくそうです。

少し詳しく触れていきます。

⑴「ほめる」
これは愛情を注ぐ上で、とても大切なこと。上述の通り、基本のキです。
人間にとってもいいことですが、パピーの学習にとっても良いということは疑いがないと思います。

何かに成功した時など、いっぱい褒めてあげたいと思います!
褒め方は、「good!」やその他の言葉を声かけ。
声かけだけでなく、たくさん撫でてあげることも重要です。


⑵「しかる」
これは、パピーの行動を規制するなどしたい場合、最も即効性がある行為です。人間に当てはめて考えてもそうだと思います。
ただし、これには大きな副作用が伴うということです。

それは、自主性を損ねるということ。

盲導犬になった時、自主的/主体的にユーザーさんを守る行動がお仕事になるため、これが大きな弊害となってしまうということです。
うーん、これは大変納得ですね!

我が家では、とっさに伝えなければならないときは、「ノー!!」と声掛けしています。


⑶「マイナスを避ける(環境設定)」

これは、そもそも「しかる」状況などを生じさせないためという点で、パピーの学習をサポートする重要な行動と言えるでしょう。
我が家の場合は、パピコの行動を把握して、よくイタズラするものや怖がるものなのどを避けてあげたりしています。

先日壁を噛んだのですが、そこには噛めないように手前に別のものを置いて
りと、随時環境を変化させてきています。


⑷「何もしない」

これがおそらく、即効性は最もないが、最も重要で影響力の強いものになり得ると教えられ、とても納得しています。
吠えたら人間が何かアクションしてくれると思ってしまうと、欲求がある時にすぐに吠えるようになってしまいます。

そこで、例えば私たち家族がご飯を食べている時などに吠えてきたら、徹底的に無視!
夜泣きをした時も、徹底的に無視!
辛いですが、これもユーザーさんのためです。

私にとっては、実はこれが一番難しいと思っています。。。

②ケージを安心基地にする

協会からケージが支給されます。
夜寝る時や、パピーウォーカーの外出中など、ここに落ち着いて入ることができるようにするもの大きな仕事です。

つまり、ケージ内は寝室。
トイレと寝床を別にするため、我が家では#4でも書きましたが、ケージを拡張しています。

私たちが食事をするときも、ぐっすり寝ている時以外は、基本ケージに入って待っていてもらっています。

③トイレの仕方を身につける

一般の飼い犬とは大きく異なる点の一つがトイレであると言えます。

盲導犬は、いつでもどこでも用を足すということができません。
外へ出る時は仕事中ということになりますから、お仕事に行く前に人に促されてするようにしていきます。
よくあるマーキングみたいなものも御法度です。

当然に最初からできる訳ではありませんので、私たちが徐々に教えていければと思っています。

こういった癖をつけてもらうため、トイレしそうだなと観察できた時、必ずすることがあります。

それは、「ワン・ツー」

最中に、この言葉を繰り返すことで、パピーの排泄を促すカギにしていきます。
最終的には、この言葉を聞くと排泄するようになるんだそうです!

ちゃんとできたら「good!!」+なでなで!
褒めることで、行動を強化していきます。

詳しくは#2

ただし、パピコの場合は、声をかけると途中で止めるようになってしまいました・・・

訓練士さんに相談したところ、考えられる原因としては、
①声をかけられることによるプレッシャー
②その後の「good」の声かけとともにもらえるフードへの期待

①は、家族大勢で一斉に声をかけていたことがプレッシャーとなった可能性があるとのこと。
②は、トイレシートでするための強化としてフードをあげるようにしたのですが、これが少し裏目になりつつある可能性が指摘されました。

そこで、トイレ後に「ワン・ツー、good!!」と、セットで言うようにしています。

④お食事のマナーを身につける

人の食べ物をあげることは絶対に禁止です。
食べ物の手渡しなど、言語道断。

これは、ユーザーさんを守るための大切なことです。
勝手に食事を食べられてしまうと、ユーザーさんの健康と命に関わります。

我が家にはまだまだ幼い6歳の子どもがいますので、食べ落としなどは十分に注意しています。

ご飯(ドックフード)の量やあげ方などが決まっています。

⑴作り方や量
最初のうちは、フードをぬるま湯でふやかしたものをあげます。
40℃程度のぬるま湯で、だいたい15分から20分程度浸けておきます。

浸け終わった様子

協会からの資料に基づき、10g単位で徐々に増やしていきます。
4月12日あたりから3回食になっています。
浸ける時間も、ものの数分といった感じで食べられるようになってきています。
それまで1日あたり4回食でした。

最終的には、2回食になっていきます。

⑵あげ方
最終的には、アイコンタクトができるところまで目指します。

今は第2段階から第3段階の間くらい
第1段階は、ブリーディングウォーカーさんが予め教え込んでいてくれました!

お座りさせた上で、顔の上に餌を入れるトレーをかざし、徐々に下げていきます。
途中で立ち上がったり吠えたりしたらやり直し。
最終的に黙って座ってトレーが着地できたら「よし!」と声をかけて食べさせます。

なお、第1段階は、トレーをかざしてお座りさせるところです。

これができるようになれば最終第3段階アイコンタクトへ。
トレーが着地してしばらく見つめ合います。
「よし!」が出るまで待てるようになれば合格です!!

「待て」をかけて、人の目を見て待って、「よし!」をかける。
この「よし!」をかけるまでの時間を長くすることが今のミッションです。

ゴハン作りから、実際にパピコにあげるまでの一連の詳細は、#22で!

⑤ヒト側のルールを設ける

「あれっ!?さっきアイツが言っていたことと違うぞ??」
ヒトの言っていることがいちいち違うと、パピーが混乱してしまします。

家族間で認識を統一し、誰もが同じことをパピーへ伝えることが重要となりそうです。

とりあえず我が家で決まっていることとすれば、
・行かせない場所を決める。
・人間が使うものには上がらせない。(イス・テーブル・ソファーその他の家具類)
・トイレは、ベランダかケージ前


といったところでしょうか。
あとは、前述の「good」の声掛けや、ヒトの食事中はケージ内などです!

⑥落ち着かせる

妻が訓練士さんから「保定」を学んでいます。
「ほてい」と読みます。

下の写真が、保定の姿勢です。

パピコをお尻を人へ向ける形で立たせ、首輪を掴み、胴体のお尻側に手を添え、首輪側は高さをキープしながらお尻側は下にグッと押してあげる感じにすると、ちゃんと座るようになります。
人の股の間にスポッと収まるように座らせます。
写真は、そうして座った後の状態です。

この体勢になると、落ち着く必要が自分にはあるんだということを学んでいってほしいと考えています。

パピコが来て変化したこと

パピコが来てから気づいたことがあります。
それは、
①ゴミが増えたこと
②洗濯物が増えたこと
③家族間の会話が増えたこと
です。

①は、なんとなくイメージつくでしょうか。

まずは、「トイレシート」
これは、想像しやすいかと思います。
回数をたくさんしますし、たくさん敷いています。

そして、「雑巾」「布切れ」です。
こちらは、お漏らし用や食事後の口拭き用です。
床を拭くために、着古した下着などを切って使い捨てています。

これまでは、だいたい20ℓの袋で週一回捨てていたのですが、だいたい40ℓと倍増しました汗
袋は有料で結構高いですし、地球のためになるべく燃やすものを少なくしたいとは思いつつ。
仕方ありませんね。。。

②は要するに、お漏らしで結構人の服も汚れたり、なんだかんだで洗い物が増えるということです。

ふと、干す場所を考える日が増えたなぁと思い妻に聞いたところ、そういうことでした。。。

①と②は、パピコが成長するにつれ、少なくなっていくことでしょう!

③は、「今日何があったー?」とか、「さっきこんなことがあったよー」とか、家族間での情報共有が活発となっています!

こちらもだんだん減っていくのでしょうかw

今後の訓練

・ネームエクササイズ 〜#28でやってみました!

・アイコンタクト 〜これはゴハンをあげる時にやってきてはいますが、それ以外にも色々あるようです。
・ハンドターゲット 〜これまた未知の領域・・・

これらについては、今後随時お知らせしていければと考えています!

むすびに

今回は主に、パピーのしつけに注目して触れてきました。

このほかにも、様々な視点でこれまで記事を書いてきています。

パピーウォーカーになるための手続きなどについては、大まかに次のパピーウォーカーへの道#1にまとめています。

また、パピーウォーカーとは?みたいなところは、#2で大まかに書いています。

パピーウォーカーになる条件を、北海道盲導犬協会のものを通して#3でご紹介しています。

パピーには、様々なキャリアがあります。#6でご紹介しています。

今後も、盲導犬をはじめとする補助犬やそのパピーについて、かわいい犬の飼育という視点や、私たち家族と仔犬のふれあいという視点など、様々な角度からお伝えすることができればと考えています。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!!

長文となりましたが、本日もご覧いただきありがとうございました!

もしサポートしていただけるならば、現在投稿の軸にしている本の購入やパピーウォーキングにかかる経費に充てさせていただきたいと考えています。