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【怖い絵】 書評#41

みなさん、いつもお世話になっております!
本日も、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

絵画に関することは、おそらく人生で初めてです!
大変良い経験となりました!

※書影(画像)は、版元ドットコム様から頂戴しています。いつも、ありがとうございます!


基本情報

中野 京子(著/文)
KADOKAWA 出版
2013年7月25日 第1刷発行

全264ページ
読書所要期間2日

私が本書に出会うきっかけ

私は、様々なジャンルの本を読み、投稿しようと心がけている。
まだ絵画については読んだことがなかった。
そんな折、以前職場の後輩が読んでいたことを思い出し、タイトルを聞いたところ、貸してくれたものである。

ありがたく、速攻で読ませていただいた!

この本の本質・言いたいこと

簡単に言えば、一点一点、絵画を紹介するもの。
その切り口が「怖い」である。

実際に見た目が怖いものもあるのだが、その絵の背景や見方によっては”怖い”ものなどを、著者の知見から紹介するものである。

私が感じたこと

1点目 〜著者の洞察力

その一つの絵に対する見方が、実際の絵画とともに書かれているのだが、
たった一つの絵からそれだけの見方、ストーリーが描き出せる力がすごいと感じた!! 
こうしたことが、「芸術」なのだろうか・・・

元々その絵画にふされた解説みたいなものがあるのか?

全くの素人のためわからないが、仮にあったとして、その解説をただ書き写すだけ、少し変更するだけでは当然誰も本書を買わないだろう。

ただただ、驚きである。

2点目 〜構成

①と重複するが、1点の絵画を冒頭に取り上げ、その後に作者やその絵画の制作時期の時代背景などの説明を加えた上で、その絵から読み取れることを洞察し、どういった点が怖いのか?が述べられていく。

全22点が本書内でまとめられる。
・絵画に対する教養
・各国の歴史
いずれもに精通する著者の知識の奥深さに感心する。

せっかくなので、全22点の作品と作者だけ記載しておきたい。

  1. ラ・トゥール『いかさま師』

  2. ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』

  3. ティントレット『受胎告知』

  4. ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』

  5. ブロンツィーノ『愛の寓意』

  6. ブリューゲル『絞首台の上のかささぎ』

  7. クノップフ『見捨てられた街』

  8. ポッティチェリ『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』

  9. ホガース『グラハム家の子どもたち』

  10. ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』

  11. ベーコン『ベラスケス〈教皇インノケンティウス十世像〉による習作』

  12. アルテミジア・ジェンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』

  13. ムンク『思春期』

  14. ライト・オブ・ダービー『空気ポンプの実験』

  15. ホルバイン『ヘンリー八世像』

  16. ジョルジョーネ『老婆の肖像』

  17. ルドン『キュクロプス』

  18. コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』

  19. レービン『イワン雷帝とその息子』

  20. ゴッホ『自画像』

  21. ジェリコー『メデューズ号の筏』

  22. グリューネヴァルト『イーゼンハイムの祭壇画』

むすびに(まとめ)

本書では、何を怖いとしているのか?
それは、

  • 人間模様

  • 心根

  • 階級社会

  • 男女差別や性そのもの

  • 貧困格差

  • 宗教

  • 戦争

  • 王政

  • 生と死

  • 神話や魔女

などから垣間見えるウラハラさ・ギャップ・暗に込められた真実が”怖い”と表現されていると感じた。

これらが制作された時代に”怖い”ものではなく”おもしろい”作品はないものかと思って読み進めてきた。
しかし、あまりにも過酷な時代を生き抜いてきた人々の苦悩の表出が絵画だったとすると、それはかなり難しいのかもしれない。


以上です。
本書の解説にもあったのですが、絵画の専門家が書くそれとはかなり一線を画した内容とのことでした。
本書も大変に興味深い作品でしたが、今後もまた違った絵画に関するものに触れていきたいと感じました。

いろいろ調べてみると、私の高校の先輩らしく、大変な驚きと嬉しさがありました!
その点からも、また著者の作品にも触れていきたいと考えています!

本日も、誠にありがとうございました!

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