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【ライフハック】企業版ふるさと納税【地方創生応援税制】

経営戦略コンサルタントのちょーすです。

ふるさと納税には、一般的な個人向けのものの他に、企業向けのものもあります。

企業版ふるさと納税

「企業版ふるさと納税」は、企業が地方公共団体に寄付をすると税負担が軽減される制度のことで、正式名称は「地方創生応援税制」と言います。

地域再生法の認定地方公共団体が実施する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業(地域創生事業)」に企業が寄付をすると、寄付額の約6割が税額控除される仕組みです。

地方創生、人口減少克服といった国家的課題に対応するため、地方公共団体が行う一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことにより、地域創生を活性化する狙いがあり、2016年に開始され、2020年に適用期限の延長があり、現時点では2024年までの制度となっています。

簡潔にまとめると、ポイントは以下です。

○企業が寄附しやすいよう、
・損金算入による軽減効果に税額控除による軽減効果を上乗せ
・寄附額の下限は10万円と低めに設定
○寄附企業への経済的な見返りは禁止
○寄附額は事業費の範囲内とすることが必要
※不交付団体である東京都、不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村は対象外。
※本社が所在する地方公共団体への寄附は対象外。

これまでも、企業の自治体への寄付は損金算入という形で、寄付額の約3割に相当する額の税負担が軽減されていましたが、企業版ふるさと納税の登場によって、新たに寄付額の3割が控除され、あわせて税負担の軽減効果が2倍の約6割となったのがポイントです。

また、更に2020年度の税制改正にて、これまで最大6割であった税の軽減効果が最大9割に引上がるなど、地方創生の更なる充実・強化に向け地方への資金の流れを飛躍的に高める観点から、企業版ふるさと納税について、税額控除割合の引上げ・手続の簡素化など、大幅な見直しが実施されました。

①適用期限の延長
第2期「総合戦略」の策定期間(令和2年度〜令和6年度)と合わせ、税額控除の特例措置を5年間延長する。
②税額控除割合の引上げ
税額控除割合を現行の3割から6割に引き上げ、損金算入による軽減効果と合わせ、税の軽減効果を最大約9割(現行約6割)とする。
③認定手続きの簡素化
個別の事業ごとの認定から「包括的な認定」とし、地域再生計画の記載事項を抜本的に簡素化する。地方版総合戦略の抜粋・転記による地域再生計画の申請・認定が可能となる。
④併用可能な国の補助金・交付金の範囲の拡大
地方創生関係交付金や地方財政措置を伴わない補助金・交付金に加え、併用可能な国の補助金・交付金の範囲を拡大する。併せて、企業版ふるさと納税と併用する場合に、優先採択などのインセンティブを付与する。
⑤寄附時期の制限の大幅な緩和
地域再生計画の認定後、「寄附(受入れ)の金額の目安」の範囲内であれば、事業費確定前の寄附の受領を可能にする。

個人のふるさと納税とは異なり、返礼品はないため、実質的には約1割の負担で地方公共団体に寄付出来るという制度です。

本社所在地には様々な税金を支払います。一方で支社・支店等では固定資産税等は支払いますが、法人関係税の支払いは無いため、その分、地方公共団体としては税収が少ない状況ですが、この制度を利用すれば支社・支店等がある地方公共団体の歳入となります。

企業版ふるさと納税(人材派遣型)

通常の「企業版ふるさと納税」とは別に、「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」という制度もあります。

こちらは「派遣した人材の人件費相当額を含む事業費への寄附により、当該経費の最大約9割に相当する税の軽減を受けることができる」というものです。

シビアに見ると、企業版ふるさと納税はキャッシュアウトするだけですが、企業版ふるさと納税(人材派遣型)では実際に人材を派遣出来るので、地方自治体とのパートナーシップの構築や人材育成に繋げることが出来ます。

まとめ

本社が所在する地方公共団体への寄附は対象外のため、主には大都市に本社がある企業が支社・支店等がある地方公共団体に行うことで、地方へのお金の流れが作れる制度だと解釈しています。

ただ、役員や従業員の出身地といった理由で寄付をしたり、事業の目的に共感して寄付をしたりするのも、良いのかなと思います。

まずは個人のふるさと納税をしっかりと行なって、会社経営者の方々が企業版ふるさと納税を検討して貰えればと思います。

最近、地方創生は地域の人たちだけで行えるものではなく、地域外の人たちにも協力して貰いながら、進めていくものだと思っています。

その1つの枠組として、このような制度を活用出来れば良いのかなと思っています。