【山口市】庵野秀明展【山口県立美術館】
経営戦略コンサルタントのちょーすです。
我が街の奇跡「庵野秀明展」を訪れました。
庵野秀明展
山口県立美術館で2022年7月22日から9月4日までの約1ヶ月強の期間で庵野秀明展が開催されています。
日本博という文化庁の企画のようです。
事前にチケットぴあでチケットを購入して、会場へ向かいます。
7月の平日は特にありませんでしたが、8月からは日時指定となっているので、注意が必要です。
音声ガイドも準備がありました。
仮面ライダーの衣装を着た庵野監督が世界観へ誘ってくれます。
色んなコスプレをした庵野監督があるんですね。
著作権等の権利関係で動画や一部展示の写真撮影は不可ですが、大部分は撮影可能となっています。
大きく時系列で展示されており、全体で4部構成となっています。
第1章:原点、或いは呪縛
原点は機械式のミシンだったそうです。
私の家にもあり、確か今もまだありますが、機械には多少興味は持ちましたが、残念ながらそこまでの観察力・洞察力は得られませんでした。
幼少期当時、テレビ等で放送されていたアニメや特撮のグッズが展示されています。
漫画やアニメも展示されてますが、撮影禁止となっていました。
これは紙製の飛行機ですが、見ただけでは紙とは分からないくらい綺麗に作られています。
また中学生の時に描いた油彩画もあります。
よく当時の作品が残っていたなぁと本人やご家族の几帳面さに驚きます。
第2章:夢中、或いは我儘
宇部市についての展示もあります。
宇部市にかつてあり、庵野監督が行きつけだった「かふぇれすとらいぶ」の食器も展示されています。
閉店する際、お店から庵野監督が譲り受けた私物でしょうか。
当時、撮っていた自主制作の「帰ってきたウルトラマン」のワンシーンです。
衣装等も残っています。
当時の衣装が残っているのは、個人所有なのか法人所有なのか分かりませんが、かなり物持ちが良いです。
2階へ上がるスロープに宇部風景の展示があります。
個人的には懐かしい風景もあったりして、感傷的な気分になりました。
自画像も展示されています。
特徴が上手く捉えられていて、流石だなあと思わずにはいられません。
自画像だと自己客観視出来てないと、他人が見た時の特徴を上手く捉えることが難しいのではないでしょうか。
宮崎駿監督との関係性が分かるネタもありました。
当時、締切が迫っている当の本人が実際にどんな感情だったかは分かりませんが、庵野監督、宮崎監督それぞれの人間性やお二人の関係性まで感じられる、心温まる落書きです。
ここから新世紀エヴァンゲリオンの展示が始まります。
企画書も展示されています。
当初は「巨大ロボットアニメーション」として企画されていたようです。
デザインも当初は耳のような形をしていたり、放送時のデザインとは違いますが、太いデザインではなく、すらっとしたデザインなのは当時からのようです。
カラーリングも若干違ってます。
ヤシマ作戦の構図も手描きから検討されています。
全話のオープニングが1枚にまとめられています。
使徒の設定もかなり詳細にデザインされています。
「Evan Gelion」と表記されているかなり珍しい資料です。
エヴァンゲリオン劇場版のポスターです。
巨大綾波もラフで見ると、メモ等と一緒に何を伝えようとしていたのかを改めて考える機会になりました。
本物から伝わるメッセージというものを感じざるを得ないです。
第3章:挑戦、或いは逃避
ここから映画の作品が登場します。
日本沈没で使われたモデルもあります。
「宇宙戦艦ヤマト」のプラモデルもあります。
庵野監督が個人的に発注した特注品のようで、それをバンダイが商品化したそうです。
戦艦の形状がとても綺麗に出来ています。
式日の展示もあります。
「カントク」が撮った写真も展示されています。
シン・ゴジラへと続きます。
第2形態から第5形態までのゴジラのモデルが並んでいます。
第2形態と第3形態はそれぞれ「蒲田くん」「品川くん」とネットでは呼ばれてますね。
第4形態の「鎌倉くん」です。
最後のカットで使用された第5形態のゴジラの尻尾もあります。
人のような形が8体ほどあるのが、よく分かります。
ゴジラは第8形態まであるようなので、興味がある方は調べてみて下さい。
かなり粗いラフから緻密なラフになる過程も分かります。
シン・ゴジラの撮影チームの集合写真もあります。
特撮博物館で展示されていた巨神兵の胸像かあります。
かなり精巧に作られています。
エヴァンゲリオン新劇場版やシン・エヴァンゲリオン劇場版のポスターが一堂に介しているのは壮観です。
「プロフェッショナルの流儀」で登場して話題になった第三村の模型もあります。
回転台も精巧に作られています。
銭湯もあります。
表からは見えませんが、第三村の住民も車を持っていたようです。
ミサトさんのスポーツカーによく似た車もあります。
シンジが家出をしていた廃墟もあります。
シンジとレイも立っています。
ケンスケの家の模型もあります。
ケンスケの家の裏にある落ちかけている鉄道車両もよく出来ています。
マリのモデルは安野モヨコ氏がデザインしていたんですね。
レイアウトや構図を探るのに莫大な量の写真を撮り、それを細かくチェックして決めていたのが、残っている資料の一部だけですが、よく分かります。
気の遠くなるような仕事です。
アスカのパペットも安野モヨコ氏のデザインだったようです。
エヴァンゲリオンの風景は山口県内でロケハンされたものが多く使われているようです。
ロケハンの場所をまとめている記事もありましたので、聖地巡礼ツアーをされる方は参考にされて下さい。
第4章:憧憬、そして再生
「シン・ウルトラマン」のモデルとなった「真実と正義と愛の化身」の原画もあります、
「シン・ウルトラマン」は絵画からインスパイアを受けているそうです。
カラータイマーが付いていないのは、この絵画からのインスパイアだったんですね。
第5章:感謝、そして謝恩
最後はゴジラとウルトラマンと仮面ライダーが見送ってくれます。
庵野監督のサインもあります。
庵野監督のサインのマークは「不思議の海のナディア」に登場したキングだったんですね。
物販
物販は展示の最後で、受付の裏にあります。
庵野作品の中でも初期の作品のグッズまであるのは、ここならではです。
また、地元のお菓子が庵野秀明展のコラボもしています。
まとめ
庵野秀明監督やその周りの人たちの莫大な手仕事を生で感じることが出来る展示でした。
私はクリエイターではないので、ここまでのこだわりを感じることはありませんが、各作品の細部や散りばめられたネタを全て理解出来る様になりたいと感じました。
御祝の花が獺祭で有名な山口県の「旭酒造」から贈られていました。
紫色の胡蝶蘭は初号機のイメージでしょうか。
庵野監督の故郷であり、シン・エヴァンゲリオンでも舞台になった我が街宇部市が盛り上がれる折角の魅力的なコンテンツなので、1ファンとしても、1地域住民としても是非盛り上がって欲しいと思います。
また個人的には5年か10年に1度くらいで、自画像を描いて、自己客観視する時間を持ってみようと思います。