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【石川県限定】初老餅って知ってますか?

「そろそろ初老の季節だねぇ」
「餅の準備せんなんねぇ」

11月に入ると、稲ほ舎で耳にする会話です。

わたしは、埼玉出身なので「初老餅」という言葉は、稲ほ舎で働き出してから知りました。

初老餅とは、人生の節目で親族、知人、友人に祝い餅を配る石川県独特の習慣のことです。

初老は数え年で42歳なので、満40歳の年にお祝いをします。

令和3年の場合は昭和56年の男性が対象ですね。
(男性限定のお祝いなんだそうです)

お餅は、神社への奉納用とご近所に配る用の2種類があります。

神社には祝い餅とお酒を一緒に持参して、お祓いをしてもらいます。

ご近所さんや友人、知人用には別に用意した祝い餅を配ります。この辺りは地域差もあるようですね。

初老祝には2つの意味があるようです。

①出世を祝う
40歳といえば、働き盛りで仕事で出世もしているころ。それをお披露目する意味もあるのか、昔は料亭に人を招いて盛大に祝ったりもしたそうですよ(社長のお母さん談)そこでお餅を配ったりすることもあったそうです。

②厄を担いでもらう
初老の年は、男性の前厄にあたります。本厄を迎える前にみんなに厄を担いでもらう意味も込めて、お餅を持ってご挨拶に回るのだそうです。決して、餅に厄がついているわけではありませんよ(笑)

初老餅は紅白のお餅で準備します。石川県は鏡餅も紅白なので、お正月を思わせます^^

大きな鏡餅は、神社奉納用に祝い餅として選ばれる方が多いのですが、ご近所等に配る場合は、小丸餅が喜ばれるようです。(大きなお餅を包丁で切るのは、なかなか大変ですものね)

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神様へのお供え物でもあったお餅は、さまざまな願い事が込められていますね。自分が当たり前だと思っていた習慣が、実は地域独自のものだったりするかもしれません。

こういった、日常に根付いた文化や習慣を見直してみると、日々の生活がまた違ったものになるかもしれませんね。


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