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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.139 映画 山田洋次「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」



こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 山田洋次の「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(1982/日)についてです。


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男はつらいよシリーズ、自分が観たのは29本目。シリーズ30作目。

シリーズも後半なので、寅さんの恋より、若い二人に恋のキューピットになるパターン。

寅さんがマドンナに失恋するのが寂しいけど定番で面白いが、こういう若いカップルがくっつく話もまあ幸せな気持ちになる。

今回は若いカップルに沢田研二さんと田中裕子さん。

沢田研二さんは歌手でスターのジュリーとは違ってシャイな動物園の飼育員。そのギャップが面白い。最初の夢のシーンではジュリーが歌って踊る!!

田中裕子さんはなんとも言えない色気があってたまりません。鼻声が良い。

今回は若い二人の恋がメイン。

寅さんの恋は・・・、まあキューピットでも良いでしょう。

恋の指南をしているときの寅さんの楽しそうなことやらw



物語は、柴又で近所の幼馴染の女性とじゃれ合い、夕食の松茸の奪い合いで喧嘩して、また旅に出る。

大分県の温泉で、遺骨を持って宿にやってきた青年(沢田研二)と知り合う。

その青年の母親はこの温泉宿で勤めていて、話を聞いて感動した寅さんは宿や村をあげて法事をする。

ちょうど宿に遊びにきていたデパートの店員二人(田中裕子)も参列して知り合うことに。

法事後大分県を寅さん青年、デパート女性店員二人と車で観光し、

女性たちと別れ際に唐突に青年は女性に付き合ってくださいと言い、急にそんなことを言われてもとそのまま別れてしまう。

寅さんはそういう時は「東京に帰ったらまた会いたいです」と言うんだよとアドバイスをしたら、青年は恋愛について教えてもらおうと九州から車で柴又まで送ることに。

長いドライブでふらふらになって戻った寅さんと青年、青年はとらやで暖かく迎えてもらい、青年は寅さんに女性のことをお願いする。

青年の気持ちに応えるために、女性の仕事場に行き、青年の気持ちを伝えるが、「あまりにも2枚目だから」と断る。

面倒くさいことになってしまいながら、それでも寅さんは騙し討ちで、二人を引き合わせるが、

デートをしても二人はなかなか会話が弾まない。

寅さんはシャイな青年の気持ちを女性に代弁して伝える。

そしてその気持ちをわかりながら、大事なことをちゃんと話してもらうために青年の動物園に行く。

飼育員の仕事を終え、観覧車へ。

二人っきり。

さて二人の恋は成就するのでしょうか・・・・。



まあ寅さんがいろいろな女性と出会って失恋する話がメインの「男はつらいよ」。

その新パターンというか寅さんが若い二人に恋のアドバイスをするのも、なんだか幸せな気分になって結構良い。

ただこの恋愛指南パターンはバランスが難しく、若い二人に寄りすぎると寅さんの魅力が薄れ、寅さんに寄ると若い二人は脇役になってしまう。

今作は絶妙なバランスに。

そのバランスを田中裕子さんがとっている。

田中裕子さんが無口でシャイな沢田研二に愛想を尽かしそうになり、寅さんとだったらいつも笑って楽しいと、しなだれるところは流石田中さん。

バーのシーンはなんだか「男はつらいよ」じゃないような都会的な雰囲気。

妙な色気がほんのりと三角関係を匂わせています。

寅さんもドキドキしながら必死に若い二人をくっつけようとしますが。

田中裕子さんの色気はヤバすぎます。



そして青年役を沢田研二が演じていて、2枚目ですがチンパンジーの飼育員でシャイという設定。

彼が「男は顔ですか?」と聞く台詞を聞いて、沢田研二がそれを言うか〜っと思っちゃいました。

2枚目にその台詞を言わせる逆説的なところが憎い。

3枚目の僻みですがw

今回は特にデートの指南が面白い。

自分のデートだとカチコチに緊張するだろう寅さんも、人のデートだから無責任にこうしてああしてとアドバイス。

一番楽しそうな表情を見せる。


博とさくら、中村雅俊と大竹しのぶ、そして沢田研二と田中裕子、これからも
”恋のコーチ”を楽しませてもらいます!

今日はここまで。




今度あの子に会ったら
こんな話をしよう、あんな話もしよう
そう思ってね、家を出るんだ。
いざその子の前に座ると全部忘れちゃうんだ。
で、ばかみたいに黙りここくっているんだよ。
そんなてめえの姿が情けなくて、こう
涙がこぼれそうになるんだよ。な。
女に惚れている男の気持ちってそんなもんだぞ。
/「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 」より