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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.040 映画 デルマー・デイヴズ「折れた矢」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 デルマー・デイヴズの「折れた矢」(1950/米)についてです。

白人とインディアンとの和平の西部劇。

1950年にこういう映画は珍しかったと思います。

まだアメリカはカウンターカルチャーの60年代ではなく冷戦時代で赤狩りが始まる保守的な時代。

西部劇の初期ではほとんどインディアンが悪者として出てきます。

強い白人の主人公が無法者やインディアンを倒すという黄金パターン。

もちろん少ない中、何作かはインディアンを良く描いているものもあると思いますが。

ケビンコスナーの「ダンス・ウィズ・ウルブス」(1990年)でやっとインディアンとの交流の西部劇がメジャーになりました。

なので最初のインディアンとの交流の西部劇も言っても良いと思います。

そしてちゃんと対等にインディアンを描いているのが好感が持てます。

族長コチーズ(ジェフ・チャンドラー)が知的でとてもかっこいい。インディアンの娘の子(デブラ・パシェット)もとても可愛い。



物語は、金を探している白人の主人公(ジェームズ・スチュアート)が偶然怪我をしたインディアンの少年を助ける。

それが縁で主人公はインディアンに殺されず、彼らと交流を結ぶようになる。

白人の住む街では郵便や荷物を運ぶ馬車がインディアンに襲われることが問題になり、

主人公はインディアンの村へ行き、郵便馬車だけでも通して欲しい交渉し成功する。

それがうまく行きかけた時、ある隊がインディアンの襲撃で全滅になり、

主人公があらぬ疑惑をかけられ白人の街で殺されそうになるが平和主義の将軍に助けられる。

主人公は将軍と一緒に全面的に白人とインディアンが和平しようと画策する。

その和平交渉の中、村の美しいインディアンの少女と恋に落ちる。

和平はうまくいくでしょうか、少女との恋は・・・・。



しっかりとした物語構成、カメラワーク(ズームやドリーなどがうまく使われている、岩山の高低差も)も良い、白人もインディアンも対等に描いている。

そしてどちらにも良い人間も悪い人間もいる。

そう、善と悪なんかに簡単に分けられない。

それでも粘り強く和平交渉をせねば平和は訪れない。

今の時代でも通じますね。



そして好きなシーンはインディアンの娘に、男女が知り合うにはどうすればいいの?と主人公が聞きます。

偶然に会う、ことよ。

良い!ナンパとかじゃありませんw

偶然!



西部劇はたくさん観てきましたが、やはりアメリカ映画の中でも歴史もあり幅広いので、黄金パターンでない作品もいっぱいありますね。

これからもいろいろな西部劇を観ていこうと思います。

今日はここまで。



「いいアメリカ人もいる
悪いインディアンもいる
両方に信用できない人はいる」
/「折れた矢」より 族長のコチーズの台詞


















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