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中1の娘と『志村けんの大爆笑展』

バカ殿&ドリフが大好きな中1の娘を連れて『志村けんの大爆笑展』へ。薄い内容でぼくは物足りなかったけれど、娘は「楽しかった」と満足した模様。

連れて行く前に「友だちと行けばいいじゃん」と聞いたところ、「同級生でドリフが好きな人がいない。というか見てる人がいない」との返答でなるほど確かに。

連れて行って顕著だったのが各世代の老若男女が沢山いたこと。学校でマイノリティな娘にとっては「同好の士」が可視化されている状態で、言葉にはしていないが明らかに嬉しそうなオーラだったのが印象的だった。学校という閉じた環境にいると気づきづらいけれど、同好の士は色々いるのだと肌で感じた模様。

これって実は大切な体験で、特に十代の限定的かつ閉鎖的な環境においては有効に働く。小中高の生活を通して、「いま目の前にある日々の生活/価値観が世界の全てではないのだ」という視点を持っていればその後の人生は何とかなる。エンターテイメントや趣味の世界は特にその力を持っている。

ぼくは「非生産的なもの」を愛する傾向があるけれど、その理由の一つとしてエンタメや趣味趣向がもつ価値観の相対化は大きい。日々の限定性を軽やかに超えてくれるから。

なんてことを思った『志村けんの大爆笑展』でした。ぼくは面白くなかったけれど。でも娘には秘密。

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