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「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きていればいい」樹木希林の本数冊。

今月はふと思い立って、樹木希林の本を続けて読みました。たまにそういう時が訪れます。今はこのテーマを集中して読みたい的に。自分でもよく分からないけれど。9月は樹木希林でした。

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一冊目
是枝裕和監督と樹木希林との対談本『希林さんといっしょに。』

素晴らしい本でした。対談本と書いたけれど、正しくは何といえばいいんだろう。やっぱり「恋文」だと思う。是枝監督自身も書いているように。

途中に何度も入る膨大な注釈も、是枝監督による対談後の解説も素晴らしかったです。監督自身がこの本をとても大切に、とても特別なものとして作っているのが伝わってきます。
本当にいい本でした。読めてよかった。

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二冊目
樹木希林との思い出を書いた浅田美代子『ひとりじめ』を読む。

決して上手ではないけれど、飾ることなく、丁寧に書かれた良い本でした。

「幾つになろうと、どこで何をしていようとも、人にどう見られようとも、一人の人間として、軽やかでありたい。誰にも偉そうにならず、誰かと比べたりもせずに、フットワークは軽く、でも愛と謙虚さは持ち続けて、心を濁らせずに歩いていきたい」

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三冊目
是枝監督の『希林さんといっしょに。』を読み終えて、そういえば…と5年前に買った『SWITCH』2016年6月号を本棚から取り出す。

こちらも樹木希林特集で、先述の書籍の元になっている。もちろん樹木希林も存命で、この雑誌の2年後に亡くなる。パラパラと読み返し、少し時間を遡る気分。

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四冊目
キネマ旬報社の『いつも心に樹木希林』

これで今月4冊目の樹木希林本。
3年前に買って読んでいたムックだけど、今読み返すとやっぱり色々響く。樹木希林本人の古いエッセイや書評まで載っているので、資料としても読み応えがある。キネマ旬報らしい。(吉田豪の伝説のロングインタビューも載っている)

本の構成ラストは是枝監督の弔辞、オノ・ヨーコのメッセージ、内田也哉子の葬儀挨拶、内田裕也のメッセージ。グッときます。

内田也哉子が紹介する樹木希林の言葉「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きていればいい」と、内田裕也のメッセージ「見事な女性でした」の共鳴が実に素晴らしい。

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9月になって樹木希林の本を集中して読んだ。
そういえば9月15日は彼女の命日。



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