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格差と中二長女

録画していたNHKスペシャルを観ていたら、中二の長女が「格差ってなに?」と聞いてきた。最近、長女は政治経済のニュースによく反応する。

ぼく お金持ちと貧乏な人の差がどんどん広がってきたということだよ。
長女 ふーん。日本は貧乏な人はあまりいないの?
ぼく そんなことないよ。日本は貧困層が増えてきてるのが問題になってる。
長女 そうなんだ!
ぼく うん。藍みたいな子が学校に行くお金がなかったりとか。お金がないから修学旅行に行けないとか。
長女 なんでお金ないの?
ぼく うーん。景気がよくならないからかなあ。
長女 そうなんだー。
ぼく 景気がよくない期間が続くと、いい仕事もなくて、税金もあまり集まらなくなって、国に助けてもらえることも難しくなって、お金がない人はもっとお金がなくなっていくんだよ。
長女 ふーん。
ぼく お金がないといろいろやれることが限られてきて、学校に行きたいけど行けないとか増えてきて、そうするとなかなか働くのも難しくてなって、それでまた貧困層が増えるっていう。日本はちょっと前までは中間層がたくさんいたんだけど、だんだん中間層が減ってきて、その分貧困層が増えてきたって感じ。
長女 まずいじゃん!
ぼく うん。まずいんだよ。でも、長い目で見ればずーっとその繰り返しはあったんだよ。上がったり下がったりして。
長女 そうなんだ。
ぼく うん。ずーっといいときなんてあり得ないんだよ。良くなったり悪くなったりが百年とか二百年とかの間で何回も繰り返している。
長女 ふーん。
ぼく だから、またそうなることは不思議じゃないんだよ。
長女 ふーん。
ぼく もし藍がそうなったとしたら、大切なのはそのときに「じゃあ、どうしよう」って考えることだよ。
長女 ん?
ぼく 例えば、藍は高校に行きたいのに、家にお金がなくなったとするじゃん?
長女 うん。
ぼく そうしたら、景気が悪いからとか家にお金がないからしょうがないって思うんじゃなくて、じゃあ他の手はないか?って思って、自分で調べたり、市役所や知ってる人に相談したりして、じゃあどうしようと考えて動くのが大切だとお父さんは思うんだよ。
長女 うん。
ぼく どっちみち景気なんて藍自身とは関係ないたまたまみたいなものだからさ。だからって「だめなんだー」って気持ちになっちゃったら何にもできなくなっちゃうじゃん?藍の人柄とか性格とかと関係ないもので「もういいや」とか思っちゃったらつまんないじゃんね。
長女 うん。
ぼく それはそれとしてちゃんと捉えて、でも自分はこういうことがしたいからじゃあどうしようかなって考えて動くのが大切なんだと思うよ。あと、市役所に相談に行ったのに「知らないから帰れ」とか言われてもしょぼんとしないでちゃんと何度も言うとか。
長女 そうかー。
ぼく 大事だと思うなー。

なんか思わぬ話の展開になったけれど、今を生きる子どもたちは物心ついたときから「これから大変だ」と暗に言われ続けているんだよなと思う。

「子どもにむかって絶望を説くな!」と言っていたのは宮崎駿だなあとふと思い出す。この国はいま子どもに何を語れているんだろう。

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