あっという間に我が子に追い越されていた話。
大学生の長女をアパートに送り届ける途中に車内であれこれ話を聞く。大学に入ってから友だちの作り方が分からなくなった…という長女が「寂しいくせに自分は一人でも大丈夫って強がってしまう」と漏らした言葉に大いに共感する。
「分かる…お父さんも20代からずーっとそうだったから。基本的に生きるのクソ下手なんだよね。でも安心してください。それはこの先も根本的に変わりません。ずーっと生きるのクソ下手です。君はそういう所がお父さんと似ているから、これからも苦労はするんじゃないかなあ」と返事をすると「ええー!お父さんでもそうなの」とショックを受けていました。
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ぼく「まあ、人間そんなに器用に変われないよね。でも、自分はそういう奴なんだなと理解して自分と付き合っていくことが大切だよね」
長女「わかるー。そうなんだよね…あ、でもわたしは最近ひとつ発見したことがあるよ!人付き合いでこれは大切なんだと思ったこと」
ぼく「え。まじ。教えて」
長女「わたしって自分のことを話したくなっちゃうじゃん。話とか盛り上がって興奮すると特に」
ぼく「わかる。お父さんもそう。あれ良くないんだよね…」
長女「やっぱり人間関係って"自分自分"ってやっちゃだめで。とにかく相手の話を最後まで丁寧に聞くことがすごく大切なんだって最近気づいたよ」
ぼく「おお!それ、お父さんが40代になってやっと発見したことだよ!」
長女「あれ超大切だよね!」
ぼく「あれは超大切です。学校で教えて欲しかった」
長女「あと、バイト先とか学外のサークルとか学校の外の人間関係も作るのもすごく大切」
ぼく「おお!それも40代になって発見したやつ!」
長女「あれ大切だよね!」
ぼく「そうなんだよなあ。"自分が属する場所"が学校とか会社だけしかないと100%になって落ち込むけど、外部のコミュニティが複数あれば20%に薄まるんだよね」
長女「そうそうそう!」
ぼく「お父さんは大学生の頃、それができなくて精神的な引きこもりだったんだよ」
長女「だから1年生のときはすごく落ち込んだけど、今はバイトやサークルで学校の外に知り合いがたくさん増えてだいぶ楽になったよ」
ぼく「いいなあ」
長女「畑のサークルとかだからおじいちゃんとかおばあちゃんが多いけどね」
ぼく「全然いいじゃん。最高じゃん」
長女「うん」
ぼく「お父さんが40代でやっと気づいたことを君は19歳で発見したんだなあ。すげえなあ」
長女「えへへ」
繊細なくせに頑固で強がりという性格が自分と似ているので長女も生きるの大変そうと思っていましたが、もうとっくに越えられていました。正に、三日会わざれば刮目して見よ。ぼくも頑張ろう。
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このツイートを読んだ同僚が「長女さんすごいね」と言ってくれました。ぼくもすごいと思います。でも、たぶん正しくは必死だったんだと思うんですよね。野良猫が生き残るためにあれこれ試行錯誤するように。正解なんかない場所で必死に足掻いたであろう痕跡が感じられて、頑張ったんだな。えらいな…と思いました。
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