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誕生日と文章と平田オリザ

今日は誕生日だったのですが

稲田さんお誕生日おめでとうございます!
いつも優しい語り口調で書かれる投稿、楽しみにしてます。文章って、人柄出ますね…

とFacebookでメッセージをいただきました。
うれしいです。

お返事に書いた内容が、期せずして自分の文章の考え方になっていたのでここに再録します。

*  *  *  *  *

>いつも優しい語り口調で書かれる投稿、楽しみにしてます。文章って、人柄出ますね…

とっても嬉しいのですが、ぼくの人柄は
・他者に興味がない
・人見知り
・気分屋
・基本的にセルフィッシュ
だと思っております…

もし、優しい人に見えるとしたら、そういう風に書いているからだと思います!笑

「そういう風に書いている」をもうちょっと説明すると、戯曲やnoteなど、自分の趣味で書く以外のものは「礼儀正しく書く」ことを大切にしています。
TwitterやFacebook、仕事のメール、勤務先のビジネス用ブログ、このテキストも。

日常生活で、友人や家族以外の人と会ったり話したりするときには、そのときに相応しい態度や挨拶、言葉が必要ですよね。

文章も同じだと思っていて。

趣味以外のテキストは「礼儀正しく書く」ことがぼくのポイントなので、もし優しい人に見えるとしたら、たぶんそこが関わっていると思います。

ぼく自身は人見知りでセルフィッシュで。
それはきっと変わらないけれど、社会に参加する際に「礼儀は一応守る」という方針があって。
それはテキストにもあって。

それがAさんが感じてくれた読み心地に繋がっているんだろうなーと思っています。

世の中にはわかりづらい文章が山ほどあります。
ブログでも、仕事のメールでも、会議のアジェンダでも。

分かりにくいテキストの多くは、読んでくれる人が「自分のことを知っている」という前提で書かれています。または「これは知っていて当然」のようなスタンスで書かれています。

でも、街を歩いていて、そんなに親しくない人と会ったときに、いきなり「あの件だけどさ」なんて話し始めないですよね。

それが伝わるのは家族や親しい友人だけです。

(親しい関係ほど主語が省かれるということは平田オリザさんの本ですごく納得しました)
(例:四十年つれそった夫婦「あれ。あれ。あれだよ。どこいった?」)

だから、ぼくは仕事の場面で主語なしで「あの件だけど」みたいに始められるとすごく反発します。
例え「あの件」について分かったとしても反発します。
ぼくは家族ではないからちゃんと説明してくれと。主語を省かないでくれと。

そういうことを解決できるのが「礼儀正しくやろう」という方針だと思っていて。

「させていただきます」みたいな言い回しの問題ではなく、自分が他者に対してちゃんと敬意をもっているか、互いに「知らない」という前提で接することができているか、などを大切にすることが、結果的にわかりやすい文章に反映されることはあると思っています。

長々と書きましたが、ぼくの文章の大まかな方針は以上ですー。

ちなみに平田オリザさんの『わかりあえないことから』を読むと、いま書いたことがわかりやすく書いてありますので、おすすめですー。


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